息肩
 2017年08月10日 (木) 02:08

 「君が好きだ」 それだけが
 言いだせずにここまできた僕は
 きっとこれからもずっと
 うまく言えずにいるんだろう

 いっしょに過ごす時間が
 たまらないほどに愛しくて
 楽しいこともあってか
 思うように言葉を出せない

 帰りの電車
 疲れた君と
 隣同士で
 座った後で

 なんでもない 話をして
 帰る時間が 好きだけど
 僕の話は 退屈なのか
 君の寝息が 聞こえてくるよ


 二人きりに なるために
 せっかく遠回り したのにな
 君は僕より 先に
 気持ちよさそうに 眠ってる

 電車はスピードを上げて
 少しゆれながら 走ってる
 疲れて眠る 君に
 いつもごめんと謝ってる

 寝息を立てて
 眠ってる君
 それを黙って
 見守る僕と

 電車が揺れて 僕たちの
 肩がふいに ふれあった
 かすかな 君のぬくもりと
 重さが 伝わってくるよ
 言いたいことも いえないで
 だめな僕の生き方
 君の 寝息で
 その肩が 静かに動く
 黙って見てるだけだけど
 幸せで しかたがないよ


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