「おはよう、シ…カマル。」

「…よ、よお。」



通学路をゆっくりと、2人で歩いていく。


やっぱり、ほら。声聞いた瞬間シカマル変な顔した。

それもそうよね、昨日までは普通だったのに、今日会ったらいきなりの枯れ声なんだもん。

こんな日に限ってチョウジは寝坊しちゃって先に学校行っててって連絡きたし。

いつもなら2人きりも嬉しいんだけどな。



「どうしたんだよ、その声。」

「わがんない、今日朝起きたらこうなっでいだの。」


ははは…我ながら話すことすら悲しくなってくるわ。このまま黙って学校に行こうかしら。


「こんな声だがら、今日はあまり話さないがらね。」

「いの。」

「んー。」

「別に気にしなくてもいいんじゃねえ?」

「え?」

「いのが黙ってるとか気味悪いし。」

「な、なによぞれっ…!」

「いのが静かだと、何か寂しいだろ。物足りないっていうか、

俺はいつもの元気ないのが好きなんだよ。声がどうなったって俺には関係ねえ。」


「……な………!」


何よシカマルのくせに!って言いたかったのに、声が出て来ない。


「いいから行こうぜ。」


ふわっと優しい笑顔を向けてきた後、そっと手を握ってきた。




…違う違う、絶対違う!


声が出ないのも、顔が熱くなってきたのも、胸が痛いくらいうるさいのも

シカマルのせいじゃない、

風邪引いてるからよ―!





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