むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。
2012.07.10 Tue 23:17
今日久々に仕事で引くほど腹が立ったんです。
余りにもどうしようもなかったので、
帰ったら名取先生に癒してもらおう。そうじゃないと身が持たない!
と自分に言い聞かせた結果の妄想です。
俺得にもならない、寧ろその妄想で余計にイタさをばらまくという、デメリットしかないような妄想です。
危険な香りがスメったお嬢様は何も言わずお帰りくださいませ…。
「あー!もうっ、マジで有り得ないんですけどー!」
誰もいない音楽準備室で叫んだ。
テスト期間中で部活もない今日は、いつもならたくさんいる生徒もいないので、腹の底に溜まるイライラを思う存分吐き出す。言ったところで解消されないのはわかってるけど。
「なんっで上から順番に使えないかなぁ。番号訂正する手間考えて欲しいっ」
口と手を同時に動かして書類を訂正する。訂正印で赤くなる文書にまた眉間のシワが深くなる。最近の肌荒れは絶対年上の新人からもたらされるストレスだ。
今日も予想の範疇を越えたミスが見付かって、私が上司に呆れられた。大したミスではなくても、1日に何度もしょうもない小石に躓くといい加減にして!とも言いたくなる。
「あいつ明日時一発殴らせろだな…」
「えー、それは怖いなぁ」
後ろからのまろい声に驚いて振り返る。見開いた視線の先には白衣を着ていない保健医がいた。
「…いつからいたの、名取」
「君が呪い殺しそうに訂正印打ってるとこからかな」
それ五寸釘?なんて聞いてくる名取は明らかに楽しそうだ。
「まぁまぁ、何があったか知らないけど、機嫌直して。後輩の面倒みるのも先輩の務めだよ」
「だいっぶ面倒みてるけどね!」
「イライラするのはお腹空いてるからだよ。ほら、今日は私がご馳走するから、美味しいもの食べに行こう?」
何が食べたい?なんてにこにこしながら聞いてくる。その顔と空気に毒気を抜かれた。
「ふじな亭の鯛めし以外は認めないからね…」
「りょーかい」
最後に頭にぽんと手を乗せた名取は、席空いてるか聞いてみる、と言いながら音楽準備室を出た。
妙に気の付く同期のおかげで、さっきまでのイライラは大分目盛りを下げた。多分店でも私の愚痴をはぐらかしながら聞いてくれる。それは経験上知ってることだ。
「これはこれでいい加減にして欲しいな…」
溜め息をひとつ机に残して、私も帰り支度を始めた。
うっかり好きにでもなったらどうしてくれるんだ。
保健医名取先生と同期の音楽教諭ってことで…。
多分名取先生はショパンのCD借りに来たとかそんな理由で音楽室に来たんだと思います。
いつも名取先生はヘタレてるので、たまにはスマートな名取先生もいいよねっ☆
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