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嵐が来たようだ。
そう、恋の嵐が。
*恋嵐*
「陸奥高校から転校してきました春野サクラです。宜しくお願いします・・・」
僕は元々恋愛に向いてるタイプではないし、何より興味がない。
だからこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
しかもよりによってそれが転校生なんて。
・・・僕は本当は典型的な恋愛タイプなのかもしれない。
「ねぇ、サイ君。ここって何冊くらいあるの?」
僕は図書委員をやっているから彼女に図書室を紹介した。
先生に言われたからなんだけど、それは言わないでおく。
「そうだね・・・千冊以上はあるんじゃないかな。」
僕がそう言ったら彼女は目を輝かせた。
「そんなに!?私、本大好きだから嬉しい!前の学校では図書室自体なかったの・・・」
そんな学校もあるんだ・・・
確かに本が大好きな人にとって図書室がないのは致命的だ。
じゃあ、なんでその高校を受験したんだろう?
僕は思ったことをすぐ口にするタイプらしい。
今思ったことをすべて彼女に聞いてみた。
すると、
「好きな人が受験するっていったから・・・」
彼女は寂しく笑ってそう言った。
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