Ñ観察日記2 ちゅーしたった。
 2016.11.28 Mon 01:23
まだおそとが怖くて
外に出るとガチガチに緊張してなんにもできなくなる。
人は恐怖に陥ると何もできない豚になるのは昔の日記に書いたな。
これが理解できるのは、真の恐怖に出会い、そして打ち負けた人だけだと思う。

N氏はその状態にすぐなってしまう。
全てを怖がっているんだろう。
まだ部屋から出られるようになって3週間。
それでもおそとに出たんだ。
そうとうな勇気を持って、恐怖に立ち向かっているのが伝わる。。

僕が初めて実際に会ったのが、先週。
マスクマンで現れて、とてもその年代の子の服装には見えない格好で、はじっこで俯いていた。
ほとんど話すこともできず、お店にも怖くて入れず、電車にも乗れない。
会ったのが0時を過ぎてたので真っ暗だ。
人がいなくて、暗くて自分が見られない。
夜はおそと恐怖の人向けの時間なのだ。

僕が好きな場所まで軽くお散歩できれば。
と思っていたが、ガラガラ電車にも乗れない。
だからもう、軽くじゃなくて、激しくお散歩コースにしたった。
僕がいろんな事に絶望したり、負けたりした時は、いつもしていた激しくお散歩。
疲れて何にも考えれなくなって頭空っぽになる。そうなると人間はシンプルに考えて、シンプルに行動するようになる。
体力も根性もついて、恐怖や緊張をあたまから追い出して、シンプルな頭で綺麗な景色を見よう。

ということで歩いた。
はじめは、ほとんど無言で。
ほとんど誰もいない真っ暗な道を選んで歩いた。
初めて会ったおっさんに、真っ暗闇を連れ回されるってどんな恐怖だよ。どんな勇気だよ。こいつなんかすげー、と思ったよ。
歩きだして数時間。僕のほうが先にヘバッた。その頃には、ポツリポツリ話せるようになっていた。
真っ暗で、くっそ寒い中。どんどん歩いた。
僕はおおさんばしで、ちょうど朝日が見れる計算でいた。元いたところから歩いたら6時間ちょいかな。

途中でギブしたらタクシー呼べばいいやって感じだった。けど。N氏はか細い声で大丈夫ですと言い続けた。
はじめは恐怖や自己主張の出来ないことからの「大丈夫です」だと思っていた。
でもいろんな覚悟をきめた「大丈夫」だったんだな。

二人で歩いて、二人で着いた。
二人で凍えて、朝日を待った。

なんだか僕が知っている、いわゆる引きこもりの人とは少し毛色が違うように感じた。
顔はいつまでたっても見せてくれなかったけど、僕はこの人を好きになる事にした。

そうして、まあその後もいろいろあったけど、いろいろ端折って書くと、、
昨日はとうとう、ちゅーしたった。のだった。

やったぜ!




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