幕末
沖神




「そーご!酢昆布買って欲しいアル!」


「…しゃーねーなァ」


嫌々買うように見せかけているが実は満更でもない。神楽の為ならなんだってしてやりてェから。なんでかって?…そりゃあ一一…


「ありがとうアル!」


コイツの笑顔を見てェからでさァ。


「あ、神楽」


公園に向かって歩いていると、ちょっとだけ体格がよい男に神楽が声をかけられた。確か名前は……


「あ、よっちゃん。こんなところでなにしてるアルカ?」


そうそう、よっちゃん。神楽とよく遊んでいるクソガキだ。弱いくせにかぶき町の帝王だとかほざきやがる。かぶき町の女王の神楽のことを狙っているに違いない。


「じゃーな」


2人の会話は終わったようだ。


「待たせてごめんネ。公園いこう?」


俺の服の袖を軽く引っ張り、首をかしげる姿は可愛い。可愛すぎて鼻血が出そうだ。

短く返事をして、また歩き出した。


「……そーご、さっきから思ってたけど、どうかしたアルカ?怖い顔してるネ」


神楽に指摘されて、眉間にシワがよっているのに気づいた。
無意識にあのガキに嫉妬し続けていたらしい。怖がらせちまった。


「なんもねェよ。土方をどう殺そうか悩んでただけでさァ」


「そうアルカ。私がよっちゃんと長話してたのに怒ってるのかと思ったネ」


大方正解です。でも正直に言うのはなんか、情けねェし。土方のせいにしたまんまにしとこう。


「あいつはお前の友達なんだろィ?俺があいつに怒ったりしたらお前が傷付くだろィ?」


「そーごは優しいアルナ!!」


優しいわけないだろ。内心怒り狂ってるっつーの。神楽にぶつけるわけにゃいかねェし、帰ったら土方に100倍くらいにしてぶつけてやろう。だから今は神楽とラブラブしねェともったいない。


「神楽、公園の前に甘味処いきやせんか?」


「行くアル!」


俺はこの笑顔が見たいから、笑顔にさせたいから、優しい男を演じてるってわけで。
女一人に真選組一番隊隊長が骨抜きになるたァ……世も末って思われるかもしれねェが、俺は別に構わない。どんな世だって、神楽さえいればどうでもいい。

愛してまさァ、神楽。



end
ハルマ様、大変お待たせしました。申し訳ありません。最後の方グダグダ過ぎて泣けます。リクエストに沿えていなくて申し訳ありません!!書き直し、お持ち帰りはハルマ様のみお願いします!!
素敵なリクエストありがとうございました!!

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