人は見かけじゃない
「おい、直斗」
「――はい?」
休み時間、いつものようにノートを纏めていたらいつの間にか巽が机の前に立っていた。
「お前、いつも帽子被ってるよな?」
「あぁ……変ですか?」
苦笑しながら帽子をとろうとすれば、その腕は慌てた様子の相手の手によって止められた
「取るなって!!だから…いや……そのよ、なんつーか……似合ってるから。直斗って感じでよ………」
そう言った完二は照れ臭そうに視線を外していた
「――……ありがとうございます」
そんな貴方の顔を見て何だか嬉しくて僕も小さく微笑んだ
―――巽くん、見た目は怖いお兄さんって感じなのに意外にやさしいですよね
―――うるせぇ……………