相合い傘?


突然降り出した雨
帰る頃には止むどころか激しくなっていた


「困ったな……先輩は用事があるって帰っちゃったし……」


濡れて帰ってもいいがまさか風邪をひいてしまったら仲間に迷惑をかけてしまう
ぐるぐると迷っていた時だった
急に横から傘が差し出され驚いて見上げれば巽完二がなんとなく視線を外し照れ臭そうに立っていた

「巽………くん?」
「傘、忘れたんだろ?コイツ俺の置き傘だからよ、気にしなくていいぜ」


相合い傘、なんて勇気は完二にはまだなくて。
傘を差し出すのに精一杯だった
「……ありがとうございます」
にこ、と小さく笑えばあまりの可愛さに抱きしめたい衝動にかられたがここは我慢だ。
なんせまだ学校…………いや、学校じゃなくても、だ。


「お、おう……傘くれぇいつでも貸してやる」


そう返事を返せば空気に耐え切れなかったのかどうなのか完二は逃げるように帰っていった


「………意外に頼りになりますね巽くんは……」



雨、それはあるいみアルカナチャンスなみのチャンスかもしれない


相合い傘(翌日編)

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