「直斗と話したい…?」
「ちょっ!!!声デカいっスよ、先輩!!!」
「あぁ、ゴメン。でも、いきなりどうしたんだ?」
「や、その…あいつが仲間になってから結構経つってのに、まだ会話すらマトモにしてねぇし、だからなんだってワケじゃねぇんスけど…あ〜よーするに…」
「直斗と仲良くなりたいってコトか」
「んなっ……!!!」
「そういう事なら任せろ」
「よっしゃ、やるか相棒!!!」
「って花村先輩!!?アンタいつの間に居んだよ!!?」
「今しがた。よーしカワイイ後輩のためにさっそく作戦会議だ!!!」
もしかしてオレ、相談する相手間違ったか……??
*+正しいコミュの築き方+*
「いいか、完二。仲良くなるにはまずコミュを築け」
「コ…なんスか??」
「コミュ。絆で結ばれた間柄の事だ」
「はぁ…よくわかんねぇけど、結局どうすればそのコ…なんとかってのを築けるんスか?」
「とにかく話しかける」
「……先輩ら、オレの話聞いてました?うまく話しかけらんないから相談してんじゃないっスか!!!」
「あのな完二。お前の場合あれこれ細かい作戦立てると余計に失敗すんの。男なら!当たって砕けろ!!!」
「砕けちゃダメだろ!!!!!ふざけてんのか、あぁ!!?」
「あぁもうゴチャゴチャ言ってないでとにかく行ってこいって!!!ほら、丁度教室から直斗出てきたし!!!」
「うぉ…っ、きゅ、急に押すんじゃねぇよ!!!」
「巽くん…?どうしたんですか、こんな所で」
「!!!??」
反射的に先輩らが隠れている廊下の奥の方に視線を送ると、「ガンバレ」と書かれた白い紙が陰からすっと差し出された。
……あの2人、あとでぜってーシメる。
「巽くん?」
「!!?…っと…」
くそっ…!!!ここで逃げたら男じゃねぇ…!!!
巽完二ナメんなゴラァァア!!!!!
「直斗!!!!!」
「な、なんですか?」
「お、ついに意を決したか!!?頑張れよ、完二」
「………あ。」
「相棒…何、今の”あ。”って」
「いや、直斗とコミュ築くには相当頭良くないとダメなんだった。忘れてたな…」
「はぁ!!?おまっ、そーゆーコトはもっと早く言えって!!!ヤバい、このままだと100%当たって砕ける……止めに行くぞ、相棒!!!」
「あー…なんか面倒だからパス!」
「お前もっと”根気”上げてこいよ!!!!!」
「オレと、その…」
「はい…?」
「オレと…」
「完二ストップちょっと待てーーー!!!!!」
「オレとコロニーを築いてくれ!!!!!」
「「「……………」」」
【コロニー】
植民地の事。
菌を培養した時に出来る塊もコロニーというらしい。
(リーダー調べ)
「……すいませんが、忙しいので失礼します」
「………おう」
「………」
「………」
「”コ”までは合ってたんだけど」
「”コ”しか合ってねぇっつの……完二のヤツなんであんな単語知ってんだよ…」
「それにしても、まさか巽くんが菌の培養に興味があるなんて…今度いろいろ話してみようかな」
何気にフラグは立っていた。