「おかえり。」
一年後の捏造ネタ。
※うちの主人公は岡崎大翔です
“相棒”が帰るべき所へ帰って一年、俺達は三年生になった
「あー……明日っからGWか………」
ふと瞼を閉じれば思い出す
一年前のGW
確かに戦うのは辛かった
時には泣きたい時だってあった……でも楽しくもあったんだ
懐かしい記憶
直斗もりせも戻り、今の学校には完二、里中、天城しか残っていない
それでもメールはくるしたまには集まる機会もあったから淋しくはなかった
――アイツ以外は。
戻った中でも相棒こと岡崎大翔(オカザキハルト)は自宅が1番遠かった為、なかなか会えずにいた。
また転校した学校は有名な進学校で遊びにもなかなか行けないようだった
「……逢いたい、な………」
ポツリと呟いた瞬間携帯がメールの着信を告げた
「………メール?」
“ピ………”
差出人:岡崎大翔
「岡崎………ッ!!??」
慌ててメールを開く
件名:GWの件で。
内容はGWにこちらへ来るとの事だった。
どうせなら全員で、と直斗やりせにも連絡したらしい
「………やっべ、なんだよ………」
アイツに逢える事が嬉しくて嬉しくてたまらなかった
―――GW一日目
堂島家に着いた、と連絡が来れば慌てて堂島宅へ向かった
「岡崎ーっ!!」
ドアを開けるなりいるであろう相棒の名前を叫ぶ
「………久しぶり。陽介」
たった一年離れていただけなのに岡崎は随分と大人びて見えた
「お………岡崎、背伸びた………?」
「あぁ、成長期だから…10センチくらい」
ちょ、待て待て待て。
いくら成長期ったって一年で10センチかよ!!!
「ま、それは冗談としてうちは両親ともでかいから……遺伝かな。とりあえず入れよ」
薦められ中へ入れば堂島さんも菜々子ちゃんの姿もなかった
「堂島さんはまぁいいとして……菜々子ちゃんは?」
「夕飯の買い出しにジュネスにいったよ。俺は陽介がくるだろうって予想して留守番」「……予想済みかよ」
「でも予想通り来ただろ?」
浮かべた笑顔はちっとも変わっていなかった
「そういや直斗とりせちーは?」
「あぁ、明日着くって。だから今日は陽介と二人っきりで会えるかと思って一日早く来たんだ」
「相棒…………」
思わず目頭が熱くなった
「……向こうに帰ってからも陽介の事が気掛かりで早く戻りたかったんだ」
「………へ?」
「聞いて驚け。来年の春からこっちの大学に通う事になった」「…………大学ゥゥ!!!!???」
「ま、4駅位離れてるからこの辺じゃないけど…ここから通える距離だったんだ。そこがまた結構レベルが高くて……だからなかなか逢いに来る事が出来なかった」
「……お、まえ…………やる事が割りと大胆だよな………」
しかしまた来年から一緒の町で暮らせると知れば嬉しさやら何やらがぐちゃぐちゃになり思わず涙がボロボロと溢れた
「なんだ、また涙腺崩壊か?」
嫌味をいえば笑い胸元へと強く抱き寄せられた
「おま………っ!!」
ぐすぐす、と泣き続ければ相棒は目を細めた
「こうしてると一年前思い出すな………」
小西早紀の死
泣き出した同じように陽介を抱きしめた
「陽介は変わってなくて安心したよ………………」
「お、前が………変わりすぎなんだっつーの………」
「言えてる。まさかこんなに背が伸びて男前になるとは思わなかった」
「自画自賛かよ……………ッ!!!……………お前らしいけど」
ようやく涙が引いてきたのか小さく笑った
「陽介。俺さ、離れて気付いたんだ」
夕日に照らされ部屋内はオレンジに染まる
「陽介が好きなんだ」
その顔は真剣なのに柔らかく笑みを浮かべていて
なんだか凄く安心した
「……ったく…男の為に泣くとかこれが最初で最後だな………ならお前、ジュネスに婿養子かよ?」
「そうだな、それも悪くない」「ハハッ、バーカ」
―――相棒。俺は一生お前の相棒で、お前も俺の相棒だからな
―――望むところだな
互いに小さく笑えば壁に写った二人の影はゆっくりと重なった
コトハ様への相互記念小説ですこんなので宜しければお持ち帰り下さいm(_ _)m