組めば最強コンビ
「直斗と完二って意外とコンビ組んだら最強よね」
昼休み、りせが急にそんな事を言い出した
「ブッッ!!!ゲホッ、ゲホッ!!!」
「キャッ、きったなーい完二!!!!やだーー!!!!」
「テメェのせいだろがゴラァ!!!!!!!」
「うるさいわね!!!!売られた喧嘩なら買うわよ!!?」
バンッ!!!!!!!!!
睨み合い、立ち上がる二人
一触即発だ。
「あの…………………昼休みだし、静かにしません?」
ふぅ、とため息をつけばもぐ、とお弁当を口に運ぶ
全く毎日よくこの二人は喧嘩できるものだと思う
「「直斗がいうなら………」」
そう二人は言えば座り、パンやら牛乳やらを食べて始めた
………最強コンビ、か………
確かに僕は遠距離型
巽くんは近距離型
巽くんはパワー型なら
僕はそれを補う力を持つ
………確かにいいかもしれない。
そんな事を考えながら食べ続けていたらまたりせのいらない一言
「だから言ったじゃない、二人共付き合っちゃえばいいのに。性格的にもあってるんじゃない?」
「え………………」
ポロ、とおかずを落とせば慌てて拾う始末
「バッッッッ………………!!!!!!!」
巽くんは真っ赤になってそう叫んだまま固まっていた
「ね、ね、どう?アタシは嫌だけどねこんな野獣」
「誰が野獣だゴラァァ!!!!!!」
困った
一緒に戦うようになり半年弱
先輩が向こうに戻って数ヶ月
……確かに巽くんはいい人で最近はよく話してくれるし居心地も悪くないし女の子として扱ってくれる。
断る理由すらなくて……………
でも、なにより恥ずかしい
恋などする自分が………
「………ぼ、僕……………」
「僕?」
「…………御馳走でした!!!!!」
真っ赤になれば逃げるように教室を飛び出た
「ちょっ、直斗!?」
………言える訳、ないじゃないですか。
僕の事、どう思いますか?なんて…
昔なら簡単に言えたかもしれない言葉
自覚してしまえば最後
「…………どうしよう」
探偵の勉強や教科書になんて書いてない
僕はどうなってしまうんでしょうか……………。