眠る君に秘密の恋を
「おい、直………………」
小物作りに興味があるから、とわざわざうちにまで遊びにきた直斗。
今日は母親が留守な為お茶を入れにキッチンへ向かい、戻ってきたところだった
「直斗?」
そこにあったのは直斗にしては珍しい無防備な姿だった
よっほど疲れていたのか、壁に寄り掛かればそのままぐっすりと眠っていた
「………オイオイ…………」
参ったな…………。
頭をかきつつ、起こす訳にもいかずにじっと眠る相手の顔を無意識に眺めた
中性的な顔
長い睫毛
ピンクのふっくらとした唇
「………改めて見ると女だよなぁ………」
無意識に吐息をたてて眠る相手
愛しさが沸いてきた
あぁ、やっぱり好きだ
俺は直斗が好きなんだ
一人の女として見てるんだ
引き寄せられるように眠る相手の唇に軽くキスをした
その瞬間、ハッと我に返れば離れ自己嫌悪
「……ッ、これじゃ寝込み襲ったのと同じじゃねぇか…………!!」
“でも……柔らかかったな………”
自己嫌悪しつつも何だか嬉しかったのはきっとそれが本当の恋だから。