☆異性交遊(長市、佐かす、慶孫)
2013.09.18 Wed 02:39
・公式学パロ(学園BSR)設定
・佐助視点
・長政×市メイン
・佐助×かすが、慶次×孫市要素あり
・長政さまがちょっと大胆
以上、ご理解頂けましたら本文へとお進み下さい。
『異性交遊』
ことの始まりは、放課後に合コンしないか、との級友の言葉だった。
「不純異性交遊は悪だ!」
はっきりとそう言ってのけた風紀委員の背後には、一人の少女が控えている。
「アンタはよくって、俺さま達はダメだってゆーの?」
そんなのって贔屓だ!差別だ!
悪友と一緒になってブーイングをすると、彼はフンッと鼻を鳴らして胸を張った。
まさか開き直ったのか?
意外な行動に目を見張ると、彼は自信満々な様子で、お市さんの手を握った。
「俺の気持ちに不純なことなどあるものか!」
きょとん、と。慶次と二人、顔を見合わせる。
お市さんも彼の後ろで小さく首を傾げていた。
意味が、よく解らない。
どういうことかと尋ねたら、彼は少しムッとした顔をした。
「俺が不純な気持ちで市と付き合っている訳がないだろう!市を好いている気持ちに偽りなどあるものか!真っ直ぐで純粋、よって俺と市の関係は不純異性交遊には当てはまらん!清く正しい男女交際だ!」
どうだ参ったか、と言わんばかりの風紀委員。
その背後で、頬を染める少女。
…あ、これ、のろけられてるんだわ。うん、間違いない。そうに違いない。
ドッと押し寄せてきたのは、疲労感。そして一人身であるが故の、嫉妬から来る怒り。
ちくしょう、ふざけんなバカ。ナチュラルにのろけてんじゃねぇ!
怒鳴りたい気持ちをこらえ、無感情に「へー」と返事をする。
ここで怒鳴り散らしても、こっちが惨めになるだけだ。そんな醜態、さらしてたまるか!
「長政さま…。」
あぁほら、お市さんも頬を染めてないで、さっさとそいつと一緒にどっかに行ってよ!俺さまもうお腹一杯なんだから!
気持ちは慶次も一緒だったようで、「はいはいご馳走様!」と投げやりに呟いて、手で二人を追い払うような仕草をしている。
この男にこんな顔をさせるだなんて、やはりうちの風紀委員はただ者ではない。
風紀委員の二人が去ったあと、俺と慶次はしばらく言葉を交わすことも出来ずにいた。
さっきまで、あんなにはしゃいでいたのが嘘のよう。合コンなんて、もうそんな気分じゃなくなった。
「『不純異性交遊は悪』、だって。」
「…けど、『男女交際』は有りなんだろ?」
二人して、再び沈黙。
俺が思い浮かべたのは、幼馴染の顔。そして、きっと慶次が思い浮かべているのは、憧れの先生の顔。
不純異性交遊がダメだというのなら、正々堂々、清く正しい男女交際とやらを目指してやろうじゃないか。
どちらともなく足を踏み出して、階段の近くで別れを告げる。
慶次の後ろ姿を見送れば、予想通り、その背中は職員室へと消えていった。俺さまは部室棟を目指し、小走りに階段を駆け下りる。
見せ付けられて腹は立つけど、やっぱり羨ましいんだよね。あーゆーの。
しっかりと握り合う、二人の手とか。照れながらも、凄く嬉しそうな表情のお市さんの顔とか。
自分も、あいつとそんな関係になれたらいいな、と。前途は間違いなく多難だけれど、そう思わずにはいられない。
今頃頑張っているであろう級友のことを思い出し、自分も負けてたまるかと気合を入れる。
清く正しい男女交際。
そんな青春、大歓迎!
END
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