第11回…事後
2017/03/15 Wed
そのあとのことは、正確に思い出せない。
たくさんのことが起こりすぎた。
父の遺体の確認には行った。
あとは、隣県に住む父の兄とお嫁さんが、自営の米穀店を臨時休業にして、来てくれて、各方面の処理に当たってくれた。
私自身は、警察へ2回だけ行ったと記憶している。父の常習的な飲酒運転を諫めなかった理由は、だいたい判明していたから、私から訊くことも少なかった。
ただ、DVの証拠として、私の体についた傷の写真は必要だった。
お嫁さんの立ち会いのもと、私は全裸で撮影されたが、恥ずかしいとも思わなかった。
どうしても、あの女子高生には謝りたい。許されなくても、謝らなければならない。
そんな私を、父の兄は、とにかく今はやめろ、と諭した。
遺族感情という言葉で説明されなくても、それは私にもよくわかっていた。
それでも、謝らないわけにはいかなかった。
新聞のおくやみ欄を見て、お通夜に行った。父の兄に知られてはならなかったから、香典袋は途中で買った。
──────────
[*前へ]
[#次へ]
戻る