天守閣
2011.04.04 Mon 23:27
信長と蘭丸にハマりすぎた結果である↓
「…はぁ…」
溜息が出る。気分は収録が始まる前から重い。
収録が終わったら信長様を置いてすぐに飛び出してきてしまった。去り際に見た信長様の顔が忘れられない。あんな泣きそうな顔。すぐに僕を追いかけようとしていたけど、明智さんに話しかけられてる隙に逃げてきた。
適当にホテルを探し部屋をとった。城に帰る気分にならない。いや、帰れない。
止まらなかった。僕が特別だと思っていた。いつだって僕が隣にいた。
それが間違いだったのだ。
僕は大勢いる小姓のうちの一人。そんな当たり前のことを忘れていた。
デビューする前はそんなこと当然だったのに、デビューしてからは忘れていた。あの数分の歌を本当のことだと勘違いしていた。
「君だけだよ」なんて、今の僕にはただ辛いだけだ。
あのドッキリ企画があってから、信長様と口論になった。…いや、ただの僕の我が儘だ。存在が欲しくて。信長様の特別が欲しくて。信長様は僕のことを何度も特別だと、何度も言ってくださった。でも、携帯の履歴やダンスのとき…どうしても信じられなくなったのだ。僕がいるのにどうして、と。
僕は特別じゃない。ただの小姓だ。
信長様、もう特別だなんて口にしないでください。あなたの言葉がいつも耳から離れないのです。あなたの全てが僕を縛るのです。もうあなたから離れられないのです。
突然響く携帯の着信音。
このメロディーは信長様専用に設定したもの。
つい体が反応して出てしまう。出てから後悔。僕は何をしているんだ。
「もしもし…おらん?今、どこにいる?」
「…僕がどこにいようと勝手でしょう」
ああ、この口は。主人に向かって何を言っているのだ。謝罪をしたいのに。
僕の本心はどれなのだろう。
「そんなこと言わないでよ…俺はいつだっておらんが特別なんだよ!」
また。特別なんて言わないでください。
「他にも小姓はいるでしょう?僕の代わりなんて誰にでもできるじゃないですか」
僕はただの小姓。僕の代わりなんてたくさんいる。
ただの、小姓。特別じゃない。
「だからおらんは特別だって言ってるだろ!?信じてくれよ!」
「…っ!!僕の事をそんなに特別って言うなら何か証拠見せてよ!」
思わず口から出た言葉。頬を流れる涙。
言ってしまった。こんなこと言うつもりなんてなかった。僕はただの小姓。小姓なんだ。特別じゃないんだ。わかってるはずなのに。
震える手で通話を切る。
世界が真っ暗になった。あれは僕の本心?
信長様、我が儘でごめんなさい。僕はただの小姓なのに、大勢の中の一人に過ぎないのに、あなたを想ってしまった。特別になりたいと願ってしまった。あなたの隣に永遠にいたいと思ってしまった。
外は、暗い
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ここまで。自分ハマりすぎだろ…
敬語使わないおらんかわいすぎますw
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