歌がきこえる。心地よく調和したメロディー、旋律。そっと耳をすますと、それは微かに小さく、空中をふわりとただよって、吸い込まれるように。
夕暮れの帰り道を、皆であるく。夏の終わり。今日も楽しかった。明日もきっと。嫌なことも、苦しいことも、悲しいことも、待っているかもしれないけれど。
大丈夫。居場所を見つけたから。都会にいたころとは違うんだ。終わらない、居場所。此処だ、と、確かに思える、居場所を、見つけたのだから。
その旋律が俺の世界を彩るから。彩るかぎり。
俺は大丈夫だ。後ろを歩く仲間たちを振りかえれば。皆、穏やかな笑顔で明日に、思いを馳せていた。
大丈夫だ。
この仲間がいる限り。
俺は。
everlasting song
※タイトルをfictionjunctionASUKA「everlasting song」から引用しました