秋が来た。高くあおい空とやさしく色づく落ち葉は、どこまでも穏やかで。あの暑かった夏とは違い、雛見沢の秋は、めっきり寒くなっていた。
「綺麗だね、圭一くん」
そして、俺の隣で微笑む君。
君の魂がいちばん綺麗だと思うけどな、なんてギザなセリフを思い浮かべながら、
「そうだな」
君の手のひらを包みこむ。
途端に赤くなる君がいとおしくて。俺が引っ越してきた時とは変わってしまった雛見沢の景色と、変わっていった、俺と君の関係。
「今度、どこか遊びに行こうぜ」
「うん!」
君の笑顔。
何よりも大切なもの。
静かに、雛見沢は初々しい恋人たちを見守っていた。