「君を、僕だけのものに、したい、んだ」
こんな感情は初めてで、どうしたら良いか判らなくなった。
好きで、切なくて、彼女が可愛くて可愛くて。
抑えきれなくなった感情は、そのキスと共に爆発した。
「……っ」
軽く触れ合った唇と唇。詩音は真っ赤になっている。僕の顔もきっと真っ赤だろう。
「…いぢわるですね、さとしくんは」
放課後の、夕陽が差し込む教室で。
夕陽に負けないくらい赤く染まったふたり。
鼓動だけが静かに響くから。
「君が、好きだから。可愛いから。君が僕を意地悪にするんだ。」
「…〜っ」
そんな悟史くんも好きです、そんな可愛いことを呟くから。
その可愛い唇にまた、そっとキスを落とした。
ほっぺたの赤みは
(夕陽より深いそれは、)
(ぜんぶあなたの所為)