10…【続き…】
2010.03.04 Thu 22:25
【続き】
『はぁ・はぁ・・・気持ち悪い・・・
これって・・・もしかして・・・……つわり?』何かを食べる前だった為、吐く物はなかったが気持ち悪さは変わらなかった
「夏華・・・大丈夫?
あまりこの頃・・・身体の調子がよくないようだけど?」
「だ、大丈夫だよ・・・し、心配しないで!?」
「ほ、本当に大丈夫?
夏華・・・医師として聞くけど・・・毎月、ちゃんと生理はきてるの?」
と心配を浮かべた表情で私に問い掛けた
私は苦笑いを浮かべ
「だ、大丈夫だよ・・・翔さん」
と返答した
だが…はっきり言って嘘を吐(つ)き通す自信がなかった
真剣な眼差しの彼から私は無意識に視線を逸らしてしまっていた
「そうかぁ・・・なら大丈夫だね
今日はもう遅いから・・・僕帰るね・・・シチューは腐りやすいから気を付けてね・・・」
とお皿に盛ったシチューを鍋に戻し、ちゃんとお皿を洗った後、彼は“「また明日…」”と言って帰って行った
※翔視点…
夏華の背中を擦りながら
「夏華・・・大丈夫?
あまりこの頃・・・身体の調子がよくないようだけど?」
食前で吐く物がないのか夏華は涙目で僕に何かを訴えているようだったが直ぐに目を僕から逸らし
「だ、大丈夫だよ・・・し、心配しないで!?」
と他人行儀な台詞を言う
「ほ、本当に大丈夫?
夏華・・・医師として聞くけど・・・毎月、ちゃんと生理はきてるの?」
僕として“生理”と言う言葉に少し羞恥心を感じたが、女性の健康バロメーターの基礎知識として僕は夏華に聞いておきたかった
僕は心配を浮かべた表情で夏華に問い掛けると僕に苦笑いを浮かべた表情を見せ
「だ、大丈夫だよ・・・翔さん」
と言った
僕は夏華の表情、仕草から見て分かった…
言葉では“「大丈夫…」”と言っているが嘘を言っている事を
そして…僕に嘘を吐(つ)き通す意味がある事を
必死に嘘を吐き通そうとしている夏華に僕はこの場で問いただす事はしなかった
僕にとってこういう日が必ずくる事は分かっていた
あの3ヶ月前、夏華を無理矢理自分の物にした時から…
夏華は既に僕の子供を妊娠した事を確信しているだろう
「そうかぁ・・・なら大丈夫だね
今日はもう遅いから・・・僕帰るね・・・シチューは腐りやすいから気を付けてね・・・」
と言った後、僕はお皿に盛ったシチューを鍋に戻し、汚れたお皿を洗った後、夏華に“「また明日…」”と言って夏華のアパートを後にした
帰宅後…
今日の事を僕は直ぐに叔父にメールで知らせ、僕の意思を叔父に伝えた
叔父から“おめでとう!!”の言葉と“喜んで全面協力させて頂くよ!!”と嬉しい言葉が返ってきた
僕は尽かさず“ありがとう…これからも宜しくお願いします”とメールで返事をした
『あぁ・・・蓮、私・・・どうしたらいい?』妊娠検査薬を使った訳ではない…病院に行った訳でもない…だが、前の生理から約3ヶ月の時の流れと世間一般の人が知っている妊娠の初症状が私に教えていた
そして…たぶん、あの人も知っているだろう…こうなる事を分かっていて私とsexをするたんびに私の中に出していたのだから…
物言わぬ蓮に相談しても意味がない事は分かっていた…だが、それでも私は蓮に相談したかった
この子は確実に彼…翔の子供だろう…だが“蓮との子供”という望みが0%ないわけではない…翔に無理矢理される前の晩、夢の中で蓮とたった一度きりのsexを交わした
たった一度きりの蓮とのsexは私にとって夢の中の出来事でも…とてもリアルな経験だった
私は彼…翔に妊娠した事を告白せず…蓮との子供として一人で生活していこうと私は決心した
時計の針が午後8時を指す頃、私は蓮が入院している病院を後にし帰路についた
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