8…【僕と君…】※18禁
 2009.12.09 Wed 22:21
【僕と君の視線が交わった瞬間】…翔視点



※咲月視点

月曜日…

「おはよう・・・夏華」

と私より先に来ていた親友の夏華の肩を軽く叩いて声を掛けた 
直ぐに夏華は私に“「おはよう…」"と笑みを浮かべて言ったがその笑顔は作り笑顔と分かった…が、あえて私は夏華にその笑顔の意味を問わなかった 

そう…私は目の前にいる私の人生でたった一人しかいない…大切な親友を裏切ったのだから 
私には夏華の笑顔の意味を問いただす権利がなかった 

私に作り笑顔を浮かべる夏華に私は 

「さ!!行こ!朝礼が始まるよ!?」

私が勤める会社の更衣室にいる女子社員達はいそいそと更衣室を後にした 

朝礼が終わり各自席に着いた頃、夏華は上司に声を掛けられ二人してオフィスを後にして行った 
そんな二人を見た私以外の女子社員の一人が“「あの二人、この頃…特に二人してここ(オフィス)を出て行かない? 
もしかして…あの二人不倫関係かもしれないわよ!?」"と言うと、他の女子社員が“「クスクス…それ!?もしかして上司と部下の危ない男女の関係!! 
なんかぁ〜村井さんが羨ましいわぁ〜
村川課長が不倫相手なら私、断然OKよ!!」"と皆は好き好きに噂をしていたのを聞きながら私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった 

数分経って二人はオフィスに戻って来ると彼女達は夏華に聞こえないように“「何か早くなかったぁ!?
もしかして…村川課長って早漏かもよ!?」"“「えー!?嫌だぁ〜!自分だけイったのぉ〜!?村川課長って最低!!」"と彼女達の内緒話が私の耳まで聞こえそれでも、私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった 

二人の関係を知る私はともかく他の女子社員からは、二人が不倫関係に見えてもおかしくないふいんきだった
席に着いた夏華の背中を私は何も言わず見つめる事しか出来なかった 




私は更衣室のロッカーを開け、ボーとロッカーの中を見つめる私の脳裏には、昨夜…私の身体の上に覆い被さる彼の姿と表情が鮮明に脳裏に浮かんだ 

『どうして、こうなってしまったの・・・』自分の愚かさと無力さを私は呪った 

彼が昨夜言ったように…彼を酷い仕打ちで突き放していれば、こうはならなかったのか…こうなってしまった後からでは、意味のない事だった 


私の肩を軽く叩いた咲月に私は“「おはよう…」"と挨拶を交わした 
作り笑顔を浮かべる私に咲月は“「朝礼が始まるよ!…」"と言って私の腕を掴み更衣室を後にした 

咲月は私が浮かべる作り笑顔の意味を問う事はしなかった


朝礼が終わり各自席に着いた頃 

「村井君、第二会議室に来てくれないか?」

“「はい…」"と言って席を立ち上がり上司と共にオフィスを後にした私達にはいつの頃から不倫関係…と言った噂がたっていた

『村川課長と不倫関係・・・ 
あり得ない・・・でも、違う意味で・・・』前を歩く上司の背中を見ながら、私は小さなため息をした 
皆が噂する事は、ある意味当たっていたからだった


第二会議室… 
上司は窓の外を見つめながら 

「私の兄が私に“「息子が明け方近くになって家に帰って来た」"と今朝電話があってね・・・…… 
村井君・・・すまない」

上司が言った言葉上では私に謝っていたが、上司の態度は謝ってはいなかった

相手が上司でなければ…私は大人気(おとなげ)なく怒りをぶつけていたに違いなかった 

上司の言葉に返答せず、俯く態度の私に上司は 

「人は欲しいと思う物が他人の物であれば・・・尚更、欲しがるものだろう・・・ 
だからって・・・こんな形で君に手を出してもいいとは思わない・・・だが、甥が“「君としたい」"と私に申し出をした時・・・何故か私は嬉しかった・・・ 
その手解きをしたのは私なのだから・・・」

彼に無理矢理された時、彼が私に言った“「男女の事で何も知らない僕に手解きしてくれたのは…君の上司でもある僕の叔父なんだ」"窓の外を見続けている上司は、私にこうなる事を知ってて…教えたと言う事になる

私は俯いたまま拳を握った私に知ってか知らずか上司は私の顔を見ず 

「これからも甥の事・・・頼んだよ・・・」

と私の肩を軽く叩いた後、第二会議室を出て行く上司に私は着いて行くしかなかった… 



私は処女だった…
別に処女に拘ってきた分けではない…
チャンスがなかった…と言う言葉の方が近い、私にプロポーズをしてくれた蓮ですらkiss止まり… 
あの夢の中で蓮と交わしたsexも自分の心を慰めるものしかない…そう、あれは自慰と同じ 
夢の中でどんなに蓮と愛し逢っても…それは一時(いっとき)の満足感とその後の虚しさが募るだけ…虚しさの穴に上司の甥が入り込んで来だけなのだから…


私と上司の噂で賑わうオフィスの自分の席に戻った私に咲月は話し掛けてくる事はなかった 


※咲月視点


更衣室… 
会社指定の制服から私服に着替えている最中も、私以外の女子社員達は夏華の身体をチラチラ見ながら“「クスクス…一つになった後は早漏かもしれないけど、前戯は濃厚みたいよ!? 
あれ見て!!あんな所までkissマークが付いてる!」"と女子社員達が噂した場所を見ると虫に刺されたような赤い跡があった 
確かにkissマークと言われてもおかしくなかった

こそこそと内緒話の話題にされている本人は、身体中のkissマークに気が付いていないようだった
私は小さなため息をして

「夏華・・・気晴らしにお酒飲んでく?」

「え!!?あ!?うん・・・」

あの女子社員の卑劣な内緒話も耳には聞こえていなかったぐらい…夏華は無意識に制服から私服に着替えていたようだった
本人は気付いていないようだが、異性の目からはともかく同性の目から見ても見目麗しい体系をしていた為か、kissマークの噂をしている女子社員達ですらチラチラと夏華の身体を見ている…その視線は"羨ましい"と言う嫉む思いより、美しい物を見れてラッキーと思う方の思いが多かった

私達は時々行く居酒屋まで歩く事にした

「どうしたの・・・?
なんか、今日は一日ボーとしていない?夏華らしくないよ?」

『そんなに昨日の・・・あの例の男とのデートが今日に疲れが残るほど・・・疲れたの?
その疲れは精神からくるもの・・・それとも・・・……』夏華の身体にある無数のkissマークらしき痕が…昨日、夏華のおきた事を物語っているようだった

「心配してくれてありがとう・・・咲月
この頃色々有り過ぎて・・・疲れが溜まっているみたい」

「そう・・・そんなに疲れが溜まっているんなら、今夜は飲むの辞めとく?」

と言った私に夏華は首を左右の振り
「大丈夫・・・こういうときこそ・・・私、咲月と一緒に飲みたい」

と微笑みを浮かべた
夜の街を時々照らす車のライトに浮かんだ夏華の目元には少し涙が浮かんでいた


居酒屋…
店員が誘導した席に座り、私達はいつものメニューを注文した

私と夏華は他愛のない会話をし…そろそろお開きにしようと席を立った瞬間、夏華の表情が見る見るうちに青白い表情に変わりそのまま固まった

"え!!?"気が付いて次に夏華を見ると…今度は顔を赤らめた表情と裏腹に身体は小刻みに震えている

固まっている夏華の視線の先を見ると、何処かの大学生らしきクループの人達が居酒屋の出入り口にいた

『どうしたの・・・』と思い、夏華に声を掛けようとしたやさき、私以外の声が聞こえた

「あ!!?夏華も来てたんだぁ!!」

と夏華に声を掛けた人は、見た目は美男子…そうイケメンの分類に入る、だが年の割りに何処か子供らしく見える…実際は私達と同年代のようだった
少しずづ後退りする夏華と裏腹に男性は微笑みを浮かべる表情の目には夏華しか映っていないようだった

私は確信した…目が笑っていない微笑みを浮かべる目の前の男性は…あの、村川課長の甥という事を

『夏華・・・』と私が声を掛けようとしたやさき、今度は同大学のグループの一人が

「翔!!知り合い!?
も、もしかして・・・例の彼女!!」

と聞いた 
“翔"とか言う男は含み笑いをした後 

「くす・・・僕の大切な・か・の・じょ・!! 
ねぇ〜夏華!!」

と言った“翔"とか言う男は“彼女"と言う言葉の意味を夏華の前で強調した

夏華は大きく後退りをした後 

「わ、私・・・か、帰る!!さよなら!!」

と言って一目散に居酒屋を出て行った 

「ま、待って!!夏華」

と言いながら、私はこうなった原因を作った“翔"とか言う男を睨み付けた後、居酒屋を出た 






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