ともだち
2013.06.11 Tue 23:07
少女は昔、ずっと一人だった。
変わり者だと笑われて、少女はいつしか他人も自分も嫌いになった。
だけど、今は違う。
親友と、呼べる友達が二人も出来た。
周りとも普通に話せるくらいにはなった。
それでも、やはり
何処かのグループに入るほどの仲ではなかった
だから、いつも教室では一人でいる
少女はそれでもいいと思った。
親友が二人もいるから。
だけど、矛盾した気持ちもあった。
一人にはなりたくない。話したい。普通になりたい。
昔の少女が叫んでる。
ずっと、ずっと、悩んできていたことだったから。
少女は「きみの友だち」を一人黙々と読みながらふとそう思った。
ガヤガヤと騒がしい教室、お菓子を分け合い、テレビの話をし、笑って、笑って、笑って、笑って…。
羨ましく、思った。
今日も少女は女子の会話が聞こえないように、耳をシャットアウトし、読書へ熱中するのであった。
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