●霞様より【終わらない想い】
「WISH」の霞様より、小説を賜りました!
たまたま霞さんのサイトの25000Hitを踏みまして。キリのいい数字で思わず報告したら、書いてくださったのです!
大人故に、素直になれなかったり、余裕を見せたかったり。。
格好いいよ、リヴァイさん…!
エレンも惚れるわけです。
霞さん、素敵な作品をありがとうございました!
作品はこちら↓
【終わらない想い】
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何だこの刺さる視線は。
目を合わせているワケではない。
俺はソファに座って正面にあるテレビを見ているだけだ。
視界に映るのはテレビの画面だけ。
だが、横に座っている奴…エレンの視線はテレビではなく確実に俺に向けられている。
この番組が面白くないのか?
いや、いつもなら面白くなかったらすぐにチャンネルを変える奴だ。
じゃあ何だ?
見詰められるのは悪くないが今この雰囲気では居心地が悪い事この上ない。
「エレン」
「………」
「オイ、エレン」
「………」
「エレ…「リヴァイさん」」
先程から押し黙っていた奴から発せられた声に思わず視線をそちらに向けた。
その瞬間、俺はその行動を後悔した。
あぁ、何かめんどくせぇ事になりそうだ。
何だかんだで一緒に暮らし始めてそれなりの月日が経っている。
コイツのこの目は…俺にとってめんどくせぇ事を言う時の目だ。
だが、合わさってしまった視線は逸らせず、仕方なくリヴァイは問い掛ける。
「何だ、エレン。」
「リヴァイさんは、オレの事好きですか?」
「………は?」
ほら見ろ。めんどくせぇ。
この俺が一緒に居るんだぞ?
ンなモン聞かなくてもわかってんだろうが。
それに三十路過ぎたオッサンが好きだの何だのホイホイと口に出せるわけねぇだろ。
それぐらい分かれクソガキ!!
だがしかし、「そんな事恥ずかしくて言えるワケねぇだろ」なんてバカ正直に言うのもまた小っ恥ずかしい。
「…好きじゃねぇ奴と寝る趣味は俺にはねぇ。」
そう、これが俺の精一杯。
デレなんて俺には微塵もない。否、あったとしてもそれを出せる勇気も度胸も持ち合わせてねぇ。
あるのは歳上としての余裕を見せようとするプライドだけだ。
だがしかし、こっちの心情なんか理解出来るワケもないエレンは未だに不満げな顔付きでこちらに視線をよこす。
「そうじゃなくて…!!」
さっきまで少し不安そうだった表情が不満そうな表情へと変化する。
相変わらず表情がコロコロと変わる奴だ。
面白いが、このままだとそのうちイジけて口聞かなくなるのが何時ものパターンだとわかっている。
こうなったら仕方ねぇ。
「…好きってのは、俺がお前に恋してるかって事だろ?」
「そういうコト…です。」
「なら、少し違うな。」
「…え?」
抱き抱えていたクッションがビクリと震えたエレンの手によって歪む。
ったく、最後まで人の話を聞きやがれ。
そして、1度しか言わねぇから良く聞きやがれ。
「恋ってのは終わりがあるそうだ。」
「……?」
「愛は、形を変えて続くモノらしい。」
「???」
「だから、俺はお前が好きなんじゃなくて愛してるんだろうな。」
「…っ!」
真っ赤に染まるエレンの顔に俺は内心ガッツポーズを決める。
見たか、これぞ大人の余裕ってヤツだ。
嬉しそうに笑いながら泣き出したエレンを抱き締めながら「たまにはこういうのも悪くない」そう思った。
ーーーオマケーーー
「あ、でもリヴァイさん。それって恋人に終わりはあるけど愛人には終わりがないって事ですか?」
「………知らん。」
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