放課後、今度の大会について源田に相談があったから源田を探すと、もう既に教室にはいなかった。先に帰ったのか。仕方ない、自分も帰ろうと教室を出る間際、ふと源田の机に視線をやると小さくたたまれたメモ用紙が転がっていた。

「なんだ、これ」

なんだか妙に気になって、悪いと思いながらも綺麗に折りたたまれた四つ折を拡げる。そこには女子らしい丸文字で(今日の放課後大切な話があるので図書準備室に来て下さい)と書かれていた。


ああ、告白か。相変わらず源田はモテるなとうっすら考えていると、何故か心臓がチクリと痛んだ。変だな、そうだ疲れているんだ。とりあえず、今日はもう帰って寝よう。

そう思って踵を返した矢先、運悪く源田が帰ってきてしまった。

「おお、佐久間か」
「源田、お前今日告白されたんだって?」

考えるより先に言葉が出た。告白はどうなったのか。OKしてしまったのだろうか。ああ、モヤモヤする。目の前の源田は明らかに動揺していて、どうしてこんなこと聞いたんだろうと今さらながら後悔した。

「佐久間、それをどこで?」
「いいから、答えろ」
「……断った」
「えっ?」
「断ったんだ」

俺、好きな奴いるから、と苦笑いする源田を見て、落ち着いていた焦燥感がいっきに高まった。

「好きな奴、いるのか?」
「まあな。誰だと思う?」

誰だと思う?って、知るわけねえだろ。と悪態をついて、軽く小突こうとした左腕を掴まれてぐいっと引き寄せられた。少しの沈黙の後、近くなった源田の形のいい唇が開く。

「我が儘で素直じゃなくて、自分勝手だけど誰よりも寂しがり屋な奴、誰だと思う?」
「……誰だよそいつ」
「わからないのか?」

知らない。と堪らず顔をそらすと、俺の手を掴んでいる手とは反対の手で顔を正面にさせられて、その直後、唇に柔らかい何かが触れた。

「これでも?」
「え、まさか」
「そう、そのまさかだ」

「俺は佐久間が好きだ」



低脳ジェラシー



―――

後味悪いと感じた方ごめんなさい;イケてる源田が書きたかった、のに!!!





 

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