「風介ー?どうしたー?」
「……」

だんまりかよ。さっきから頬をつついてみたり、頭のチャームポイントをいじってみたり、背中に指で何かかいてみたり。集中して漫画も読めねえじゃねえか。なんなんだよまったく。

とりあえず振り向いてもう一度名前を呼んでみてもぷいっと顔を反らして何も言わない。悪戯してるだけなのかとまた漫画に視線を向けると今度は耳を引っ張ってきた。痛い。

「晴矢は本当に鈍いね」

いつの間に部屋に入ってきたのかヒロトが言った。

「お前程ノロマじゃねえよ」
「そっちじゃなくて、」
「え?」
「風介、構ってほしいみたいだよ」
「ちょ、ヒロト!!」

別に構ってほしい訳じゃない!と耳まで真っ赤にした風介がヒロトに突っ掛かる。ああ、なるほど。俺が漫画読んでて面白くないからちょっかい出してたけど'構って'なんて恥ずかしくて言えなくて黙ってたのか。

「晴矢!本ばっか読んでないで私と遊べ!ってずっと風介が目で訴えてたよ」
「訴えてない!黙れ!」
「風介ごめん!」
「なんだ……うわ、苦しっ」

再びヒロトに突っ掛かろうとする風介をこれでもかってくらい力いっぱいにを抱きしめて動きを封じ込める。ヒロトに視線を向けると、先ほど風介にボサボサにされた頭を整えていた。

「ヒロト」
「ん?」
「サンキュ」
「どういたしまして」

ニコッと効果音がでそうな爽やかな笑みを浮かべて、それじゃあ、僕の用は済んだから退散するよ。と部屋を後にした。



鈍感な君
晴「気付かなくてごめんな」
涼「今回だけ許す」
ヒ「(ふふ、お熱いなぁ)」




―――

ヒロトは照美さんと同じ地位です。私の中で。なかなか進展しない晴矢と涼介を微笑みつつ見守ってればいいよ!てか時々涼介にちょっかいだして晴矢にアトミックフレアされればいいよ!

20101010 cut




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