最近、妙にイライラする。理由は他でもない"佐久間先輩に笑顔が増えたこと"だ。否、佐久間先輩の笑顔が拝めることはむしろ嬉しいことなのだけれど。問題は、その笑顔を向ける先にいるのが俺じゃなく、源田先輩だということ。
「源田!」
ほら、また源田先輩だ。なんで、どうして源田先輩なんだ。佐久間先輩が笑顔になっていいのも、名前をよんでいいのも俺だけなのに。佐久間先輩は俺のものなのに。ああ、胸くそ悪い。源田先輩なんて消えてしまえばいいのに。
……ん?消える?ああそうか、簡単なことじゃないか、"俺が"消せばいいんだ。源田先輩さえいなくなれば佐久間先輩は俺を見てくれる。その笑顔も、名前を呼ぶ声も全部全部俺のものだ。
猟奇的愛情
(嗚呼、楽しみだなぁ)
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暗いお話。源田が憎くて憎くて仕方ない成神くんでした。俗に言う狂愛です。そして短い。