バトン 剣と月の祝福を@
 2013.10.13 Sun 16:12


キュンてしちゃうだろーが。きっと。


大好きな男の子に言われたら...?

次の言葉(告白?)で、よかったら○、ダメだったら×つけてー。


れりごっ。


※第21話位の“関係”です。


*「俺やべぇ...お前のこと考えまくってる。」
 〓○

 大尉が執務机に向かって数十分。
 初めはお情け程度に書類に目を通していたが、既にその御手元に書類は無い。
 触れる事すら拒否する様に器用に隻腕を組んで、机の上で長い足を組んでいる。
 凛々しい隻眼は、書類を見ている様でその実、ここでは無い何処かを見つめている。
 そろそろ仕事をしてくれまいか、その願いが叶ったのか、大尉が腕を解いた。
 しかし、その美しい手は書類に伸びず、懐の咒信機を掴んだ。

「ギギナ。今何をしている?」

『(急に何だ?)家具の手入れだが?』

「何処で?」

『事務所の書庫だ。貴様が乱雑に本を詰めるから、』

「昼飯は何を食った?」

『…野菜と麺類と甘味。』

「今日は仕事は無いのか?」

『狙っている賞金首に動きが無ければ夜まで特に無い。』

「夜は何を食べるんだ?」

『…それらが何か、龍皇国に居る貴様に関係があるのか?』

「良いから答えろ。」

『…未定だ。さては貴様、暇なのか。』

「いや、忙しい。だが、その様などうでもいい事が気になって仕事どころでは無いのだ。准尉がそろそろハゲそうだからもう暫し問いに答えよ。」

『…気の毒な。』

 ギギナ君の色々な意味を込めた私へのお悔やみを、大尉は首を傾げてスルーした。


*「お前の笑顔って、すげぇ好き。」
 〓○
 
 たまたま古本屋でギギナが好きそうな家具の雑誌のバックナンバーを見つけた。
 ただそれだけだったが、店主が俺の反応を見咎め、にやりと笑って話かけて来た。

「君、さては家具愛好会のメンバーかい?」

 うんともすんとも答えていないのに、店主は饒舌にその本について語り始めた。
 俺には良く理解出来なかったが、家具愛好家にとってはとても価値のあるものらしい。
 金額も、古雑誌にしては異常だったが、払えない事も無く、この機会を逃すと二度と手に入らないとまで念押しされたので、購入してしまった。
 そう。
 本のプロフェッショナルがそこまで言うのだから、家具好きのギギナは少なくとも不快な思いはしないだろうと思ったからだ。
 いや、あわよくば喜ばせたいと言う下心は自覚している。
 夜の仕事を終え、帰宅したギギナが居間に入る気配がする。
 わざとらしくテーブルに置いた雑誌に気付いただろうか。
 俺の待つ寝室へ、いつもより早い足取りで向かって来る。
 扉が開き、ギギナが見せた顔は、俺が望んだ以上のものだった。
 

*「あ、帰るんか。気ぃ付けて帰れよ。」
 〓×

 零細事務所は一日中アルバイトを雇っておく金すらない。
 午前で待機を命じられたダレンは、今日は帰ってゆっくり本を読む事にした。
 外套を羽織り、事務所の入り口に向かった所でギギナに両肩を掴まれ止められ、ダレンは首を傾げた。

「何か用か?ギギナ如きが俺を小間使うとは良い度胸だと躾直してやりたいが、経営者とアルバイトという身分を鑑みて、不当でなければ聞いてやっても良いぞ。」

「本当に帰るのだな?一人で帰れるのだな?帰っていたつもりが気付いたら知らぬ国に居た等という状況にはならぬだろうな?肩がぶつかって腹が立ったとかで権力だけはある裏社会の馬鹿を四分の三殺しにして私のエリダナでの職を奪ったりはせぬな?」

「…。」


*「俺もがんばるから、お前もがんばれ。」
 〓○

 それはまだ幼い頃。
 進級試験を間近に、気分転換に出かけた散歩でダレンにばったり出くわした時だった。
 厄介な奴に捕まったと思ったが、ダレンは憔悴していて、美しい顔が残念な程目の下に濃い隈を作っていた。

「…研究か?」

「いや、近く昇級試験があってな。いざ試験となると趣味程度の学力では難しいものだ。」

 郷の誇り様の口から出て来た庶民めいた発言に閉口していると、ダレンが微笑んだ。

「学生も進級が近いのだろう?ギギナも現実逃避は程々にして勉学に励め。」

 一つ、大きく伸びをして帰路に就いたダレンは、郷の誇り様の様な孤高の存在ではなく、珍しく、何処にでもいる人間の様な親しみやすさだった。


*「いい加減、俺の気持ち気付よ。ばぁか。」
 〓×

 ダレンが私の膝の上に向かい合って座って数分。
 性行為に及びたいのならば、もう少し行動や態度があるだろう。
 今までそんな素振りを見せた事は一度として無いし、今も無い。
 たまにある、何が面白いのかつまらない私の顔の鑑賞遊びかとも思ったが、時折考える様に目を閉じ眉間に皺を寄せているから違う。
 鑑賞遊び中のダレンは、人里離れた所に住む野生動物が初めて人間を見た時の様な、それが何たるかを知らず、ただ興味津々で危険な程無防備な顔をするからだ。

「…昼に何を食べようか考えているのか?」

「違う。」

「…。」

 今日も天才様の考える事はさっぱりわからない。


*「俺は、結構いいと思うよ。お前のこと。」
 〓○

 せがまれるまま歌ってやれば、昔から変わらずダレンは嬉しそうに心地良さそうに笑って耳を傾ける。
 口に出して賞賛してくれるが、語彙の乏しいそれよりも、この方がずっと嬉しい。

「うむ!俺はやはりギギナの歌は良いと思うぞ!人前に出て、より多くの人間に評価されるべきだと思うが?」

「だが断る。」

「勿体無い。」

「それは私が決める事だ。」

「?」

 大衆に受けなくても良い。
 相手に届けば良い。
 その相手がこんな顔をしてくれるのだから、これ以上の事は無い。
 しかし、そこまで思えるようになったのは、極最近。
 我ながら子どもじみていて、非常に勿体無かった。


*「泣くなって、俺が側にいるから。」
 〓○

 色々な事を准尉に放り投げている所為で、直近小隊以外の部下は、書面で名前と経歴を知るくらいだ。
 顔を合わす事なく、戦死される事も割とある。
 それでも部下は部下だ。

 早く会いたい。

 報告書で知り得た部下への興味は尽きない。
 会ってこの目で確かめたい、触れ合いたい。

 それくらいには愛がある。

「鬱陶しい。不必要に近付くな。」

「お子様には必要だろう。」

 だからそういう時、ギギナが居てくれると、ありがたい。


*「頑張ったじゃん。えらいえらい。」
 〓×

 郷帰り中、せがまれるまま話した竜殺しの中で、なかなかに手強く賞金の高いものの話しになった時、ダレンはその美しい顔に満面の笑みを咲かせた。

「よくやった!ギギナ!偉いぞ!今日はご馳走だ!!」

「…いや、結構。」

「遠慮するな!」

「…。」

 特に武勇が無ければ尻を蹴り飛ばし回され、武勇が有れば死の晩餐。
 これだからなるべく郷には帰りたくない。


*「そーゆー顔すんなよ...他のヤツが好きになったらどーすんの。」
 〓×

 ギギナは高い家具を見る時、それはそれは楽しそうで美しい顔をしている。
 戦闘で見せる、一般の女には引かれそうな、俺は好きなそれとは違う、柔らかなものだ。
 家具は室内の物で、高価な物等そうそうお目にかかれるものではなく、あったとしても大抵だだっ広い部屋には勿体無い少人数だったりする事が多い。
 だからあまり、ギギナのその笑顔を人目に晒す機会は無かった筈だった。
 ギギナが街の電気屋の前で立ち止まって数分。
 その柔らかな視線の先には大型テレビがある。
 勿論、ギギナがテレビ如きに惹かれる訳が無い。
 その放送内容だ。
 金額に換算できない程の価値のある家具に、ギギナの鋼の瞳がキラキラと輝いている。
 そんなギギナの横顔を、気付いた女達が覗き込み、飽きも瞬きもせず眺めている。
 テレビの中の家具達は、入場料と見学料を払って漸く見れるものらしいが、俺にとってはギギナの顔の方が価値がある様に思える。
 しかし、当の本人は全く意に介していない。
 女の眼も、待たされている己の存在もだ。

「ぐっ!?」

 腹が立ったので、横っ腹に蹴りをぶちかましてやった。


*「お前といると、すげぇ楽しい!」
 〓○

 料理も壊滅的なら、家事能力は零を超えてマイナス値だ。
 女の様に柔らかく無ければ、可愛げすらも無い。
 得意な事は戦闘と研究だ。
 大凡、男が男に好かれる要素がわからない。
 それでもギギナは俺を傍に置き、夜は抱き締めて眠る。

「眠れぬのか?」

「別に。いい加減、伸び伸びと眠りたいと思っただけだ。」

「?窮屈でも貴様はよく眠れるだろう。」

「…。」

 ギギナが俺を寝かし付けようと、子守唄を歌い始める。
 離す気は、微塵も感じられない。
 俺も、ギギナの逞しい腕を払ってまで、照れ隠しをするつもりは、無かった。


オワタょー

なんか、ぐだぐだでスマなんっw



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