バトン 狂い咲き@
2013.09.15 Sun 21:17
殺伐としたお題バトン
殺伐とした言葉でお題を作ってみました。
イラスト、小説等に役立ててもらえれば。
気に入ったものだけ抜粋したり、お好きな使い方をして下さい。
※狂い咲きで桃太郎→高杉さん。
※原文は・の後。
※藤丸が書いたのは無印。
※三段位離れると話が変わります。
※白輪紅輪桃輪ごちゃ混ぜ。
・殺人衝動の捌け口は
貴方に再会うまで些細な事で、小さくて華奢で忌々しい身体を内側から壊しそうだった。
貴方に再会ってからは衝動全てが愛の名の下に許され、
次第に衝動は愛と密接になり、
それ故に全てを吐き出すには社会は狭くて小さくて、
貴方は貴方で惜しみなく俺に与えてくれるから、
大きくなった今も、息の仕方がわからない。
え?
結婚する?
わかった。
そんな女なんて、
・ズタズタに引き裂いてあげる
貴方に「要らない」と言われた時、
・死んだ方がマシだった
貴方に抱かれた時、
今の貴方の隣の歩き方を覚えた。
邪魔する者は親友だろうと、殺す。
あれから俺には貴方しか見えない。
・真っ赤な花弁を散らしたような
血で染まった襖を眺めて数秒。
庭の紅桃が見事だった縁側を見た。
その白昼夢を壊したのは、まさに目の前の“縁側”から帰宅した最愛の兄。
今か今かと待ちわび、姿が見えれば一目散に駆けて行き飛び付いた、強く、優しく、格好良い、最愛の、兄。
いつもの様に俺に手を伸ばした兄の背後に、桃の花も広い空もない。
死体の転がる、暗闇。
利き手には、脂汚れで鈍く光る刀が握られている。
何となく目を下に向ければ、“庭”に“桃の花”を咲かせた死体が転がっていた。
一瞬後、兄は刀を鞘に収め、両手を伸ばした。
俺も刀をしまえば、その両手が脇に差し込まれ、軽々と持ち上げられた。
死体を超え、兄に抱かれる。
冷えた身体で愛する温もりを味わいながら、肩越しに見た世界からそっと目を逸らした。
世界が変わっても、この人の愛が変わらなければ、俺はもう、他に何も望まない。
貴方が熱心に見つめる物が憎くて仕方がない。
貴方は俺以上に後ろ向きで、前を向いていてもそっちは後ろで。
俺を見て微笑ってくれるけど、特に俺越しだと後ろを、過去を見ていて、今の貴方は時間に引っ張られて渋々と生きている様だった。
そんな格好悪い貴方を、これ以上見ていられない。
ねえ、今の俺を見て。
そんな悲しい顔をしないで。
俺を見て、過去を偲んで泣いても良いから。
でも、俺を見て、それ以上に微笑ってよ。
俺は今でも、貴方と居ればこんなに幸せなのに、貴方は違う。
過去を否定する今で幸せになる事を恐れるあまり、
過去を否定する今を壊す事に夢中。
貴方にとって、俺ってそんなもの?
俺では貴方を夢中に出来ないの?
良い子にしてるだけじゃ、父さんには勝てないの?
そう。
じゃあ、
世界に二人きりになるまで、
・全て壊してしまえばいい
これで貴方は俺に夢中。
その位の意気込みで、俺は貴方の正面から挑んだ。
攘夷なんて二の次。
父さんなんて関係ない。
ねえ、それでも貴方は俺に夢中?
目が見えなくなっても、狂い咲きの時は割と“見える”。
敵の輪郭、動き。
そして、表情。
今、返り討ちにしてやった刺客が怯えているのも、よく見える。
英雄、榎本武松が、本気で守られようと思えば、易々と不審者が近付けるわけが無い。
わざと隙を見せて、わざと襲わせている。
敵はまだ沢山生き残ってる。
だから、清く動きの鈍い榎本武松では居られない。
自分を囮に、地道に潰して回る。
足下の刺客が動く気配に、刀を突き付け直し、少し引いて肩を竦めた。
・死に方くらい選ばせてあげる
笑いかけてやれば、刺客は安堵の笑みを返した。
狼に食べられた
・赤ずきんは助からない
だってそうだろう?
鋭い牙で捕らえられ、丁寧に咀嚼され、余さず飲み込まれた。
赤ずきんだって、助けられようなんて思ってない。
もう、死んでいるのだから。
だからもう、狼の腹を裂く様な事はしないで欲しい。
赤ずきんも、もう、原型を留めていない醜い姿を世に晒したくはない。
俺を食べた狼は、今日も猟師を恐れ、俺の頭を包む様に顔布を巻き付ける。
赤いそれが捲れない様に握り締め、もう片方で狼が差し出す手を取った。
・私だけの人形(タロー)でいて
誰だったか、何人かの、何番目だったかのお姉さん達に言われて、一気に冷めた。
誰か一人に絞った事は無い。
誰かに本気になった事も無い。
その非は認める。
女性にそんな事を言わせる俺は悪い男だ。
でも、その台詞もどうよ。
沢山の女性と関係がある事も、誰にも深入りさせない事も、俺は隠してはいなかった。
でも、人形の様に無感情だったわけでも、不感症だったわけでもない。
でなければ愛の言葉を囁けはしないし、愛撫だってあれほど悦くさせたりは出来ない。
これでも一人一人に思いやりはあった。
彼女達もそれで良かったから俺に気を許したんじゃないのか。
俺の何が悪かったのか。
彼女達は何が不満だったのか。
わかるけど、わからない。
だって、そうしたら、俺は彼女達に一時の幸せもあげる事は出来なかったのに。
ねえ?兄さん。
だって、そうであるべきなら、俺は貴方だけのものなんだから。
今日は俺だ、いいや俺だ、今日も俺だ。
銀時を見て、小兄を見て、最後に晋兄を見る。
抜き身の刀が振り回される壮絶な弟の奪い合いを見て、しみじみ思う。
・自分以外は化け物だらけだ
赤い花がよく似合う。
それは兄さんが耳に蛸が出来るくらい言ってたから、俺でもそうなんだと思う。
だから、今も昔も俺の所に赤い薔薇がよく届く。
男から。
赤い花と言えば薔薇っていう、何とも男らしい安直な選択だ。
正直、薔薇は似合わない。
百歩譲っても気品っていう柄ではないし、あの色香はまだ早過ぎる。
兄さんの言う通りだ。
だからまた子さんにあげる。
また子さんなら黙ってれば似合うと思うし、大抵の女性は薔薇が好きだから喜んでくれる。
ちなみに兄さんは花そのものをくれたりはしないけど、花見に連れて行ってくれたり、綺麗な花柄の着物を買ってくれたりする。
兄さんは赤い桃でなくても花が好きだ。
だからたまにはお礼に、花をあげる事にした。
どんな花が良いか、センスも教養も目も見え無い俺は、店員さんの丁寧な説明をひたすら聞いた。
花の色、形、大きさ。
脳内で色んな花と兄さんを合成してもいまいちピンと来ない。
それが良いのかわからない、と言った方が正しい。
何でも似合う様な気がするし、そうでも無い様な気がする。
そこで俺は、花言葉だけに絞って、花を選んだ。
今まで悩んでいたのが嘘の様な即決だった。
・貴方に送るのは白と黒の薔薇
(白い薔薇の花言葉→私は貴方にふさわしい、黒い薔薇→貴方はあくまで私のもの)
さて、兄さんは喜んでくれるだろうか。
回したい方がいたらどうぞ
→
お疲れ様でした。
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