色々マッハであけおめことよろ
 2021.01.06 Wed 22:00


たかな様、改めまして…
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

クリスマス画像、ありがとう!
私のスマホ重過ぎて再生上手くいかないけど、素晴らしさは伝わりました!
pixivでインド沼勢が盛り上がってるので、嬉しいです!

その同期さんは、誕生日プレゼントにほら貝(の形をした実用品)や伊勢海老(の形をした実用品)をくれたりします。
実に私のツボを的確に射貫いていて、震えます。
初回は夜残業を終えた私の机に、深夜まで残業していた他の同期と一緒にカエルの置き物で魔方陣を作っていました。
早朝出勤した私は、誰もいない事務室で驚きのあまり放心しました。
答えがどこにもない(おめでとうも何もないうまい棒は確かあった)謎がデスクに広がっている職場、超エキサイティングです。
答えは昼休みくらいに来ました。

ちょっとしばらく何故か膝を抱えてチーンしていましたが、若干魂が戻って来たのでなんとか小ネタをまとめました。
正月休みで1キロ痩せるとか、どういう状況かやっぱりわかりません。
食っちゃ寝してるんだけどな?
このままいくと夏くらいには大学のときの体重になりそうで、いいのか悪いのかやっぱりミステリーです。
主治医先生は少なければ少ないほどいい派党なので、薬の副作用で太ることだけを心配していました。
ちなみにヒロイン同期には病院を変えるって手段も覚えておいてね的なことを言われました。
藤丸は、もう、お医者巡りに疲れたんじゃ…。

フィンランドのクローゼットはみっちり詰まっていて、すみ●こぐらしが入る余地はありません!(笑)
風邪を引いていたとのことですが、家族で楽しいクリスマスを過ごせたはずと信じています。
こんな時期だもの、これからも小さくてもいいから多く嬉しいことがありますように。

最近あった嬉しい事、…眼鏡のレンズ交換が安かった事かな(笑)
あ、いい古着とか中古の財布にも巡り合えたなー。
あと久しぶりに64でマリカーして遊んで楽しかったよ。
兄ちゃんの部屋に遊びに来ていいとお許しをもらったので、これからは定期的に64やスーファミしに行こうと思います。



<もふもふが足りない>



オルガマリー所長とどんな関係だったか、二人の間でどんな会話があったか、誰も知らない。
親友はさておき、カルデア存続のためなら、藤丸立夏の精神的な負担が軽減するなら、ジュナスタは渋々腰を上げてくれるのだ。

「アルジュナ、この石いい所に置いてきて。貧乏人が拾わないように偽装よろしく。」
「御意。」
「今後ね、あっちとそっちの砲兵が邪魔になるから、私が合図したら撃破して。」
「御意。」
「あー、裏門でゴキブリみたいにカサコソしてる奇襲部隊はどう使おうかな。」
「第一防衛線は突破させ敵現場指揮官を気持ちよくさせたところで、第二防衛線内で程々にもてなして戦力を分散させましょう。」
「そうね。裏はいつでも囲めるように兵を再配置、頃合いを見て完膚なきまでに叩き潰して負傷兵と遺体の回収に敵の人手を大きく割かせよう。この配置で正面が押されるようなら、アルジュナにもう二門くらい相手の砲台を潰してもらう。」
「御意。」
「裏に割かれる敵兵の規模と練度は私も注視する。休戦中の対談に私は絶対に出ないけど聞き逃したくない。石、上手に置いて来てね。」
「御意。」

近代的な戦争において、定点配置した宝石魔法で敵の動きを把握し、各現場指揮官に渡した宝珠で即時意思疎通できる魔術師は、神以外の何者でもない。
しかもこの神、本気で戦争をさせるとルールの超解釈に始まり逆に敵方に不利な言動を引きずり出して揚げ足をがっつり取って据え膳をごっそりいただいたり、さももっともらしく威丈高に鼓舞した仲間をあっさり犠牲にして他の作戦を確実に遂行したり、目的の達成のためならばえげつない手を顔色一つ変えず使う。

「ああ、おお、神託を受けました。」

などと実力を伴い真顔で声高に宣えば、面白いくらいに彼女の計画どおりに事が運ぶのだ。
周囲には神より授かりし御業には限界があると嘆いてみせ、自分の魔力の消費は最小限に抑えて危険なことはぎりぎりまで現場に任せ、俯瞰の姿勢を崩さない。
口調に気をつければ可愛らしい声と、黙っていればまあ悪くはない見た目に加え、魔術を巧みに操り、戦略的分析力に長けた若い女を神が遣わした聖女か何かと勘違いしていた連中も、敵味方関係なく死体の山が増え自国の地図が狭まり始めれば気がつき始める。
耳障りのいい言葉と常に絶やさない微笑みがどんどん胡散臭くなり、自分達の勝利と彼女の目的が異なることに気づき、今は利害が一致しているだけで彼女は自分達の味方ではないと確信した時にはもう遅い。
後には退けない状況にあっても、せめてこれ以上魔女の好き勝手にはさせないと刃を向けたところで、この魔女は白兵戦でこそ真価を発揮する。
白刃を翻し鮮血に染まりながら、最終防衛線を超えて雪崩れ込んできた敵の中に目標を見つければ、自ら血と糞尿でぬかるんだ塹壕を駆け、目的を達成した途端スパッと戦線を放棄して撤収し、何食わぬ顔で清潔なカルデアに帰還し、汚れた手で戦利品を経営顧問に投げて寄こすのだ。
誰も彼女の精神的負担が軽いとは思ってはいない、だからこその特別待遇なのだと理解している。
誰より本人がその取扱いに納得しているので、言論と表現の自由を謳歌する表情にはいつもの不平不満だけがありありと貼りついている、つまり異常なしだ。
趣味に於いて唯一無二の相棒たるミスタームニエルと、何かと世話を焼いてくれる自称業務的女性スタッフは、優秀故に天秤がイカれた周囲の価値観に合わせ、深呼吸一つで普段通りに彼女を出迎える。
その精神負担については、アスクレピオスが経営顧問らに指摘するその日まで重要視されることはない。



そんなこんなで特別待遇が許されているジュナスタの、何事もない怠惰な日々に突如激震が走ったと同時、カルデアに声にはならない悲鳴が木霊した。
アルジュナはいつもどおり丁寧に優しくジュナスタの髪を梳いていただけだ。
その指にホラー映画並みの髪の束を絡ませ、ジュナスタを小脇に抱え、医務室へと駆けこんだ。

「失礼、医神殿。今、なんと?」
「円形脱毛症だ。」
「私の聞き間違いではないのですね。」
「ああ、ストレスを原因とする病気だ。技術スタッフらにもよく見られる、何も驚くこともないありふれたものだ。いや、そうでもないな。」
「はい。我がマスターが、そこまでストレスを感じていたなんて。」
「ああ、同意する。発症した個体が特殊故に、症状が同じ新種の病原を疑いたくなる。」

目を輝かせるアスクレピオス曰く特殊な個体、ジュナスタは、今まさにストレスマッハで叫びたいし暴れたいが、最優のサーヴァントが太陽に映える褐色の肌を蒼褪めさせるほど心配してくれているので、米神に青筋を浮かべて必死に我慢した。

「菌やアレルギーでも起こりうるが、そういったものをことごとく排除したカルデアの空気ではありえない。最後に赴いた不衛生的な任務も随分と前だ。となると原因はやはりストレスだろうな。」
「マスター、あなたはどれほど自由を渇望しているのですか。」
「エブリディ食っちゃ寝したい。」
「「はあ。」」

アルジュナとアスクレピオスに同時にため息を吐かれたジュナスタは、今まさにストレスマッハなんだけどどうしてわかってくれないのか、そんな不毛なことを考えたりしない。
半分神とか英霊になるような王子様相手だ、個としてより高みを目指したいという高尚な願いを庶民の大多数は思いつきすらしないのだよと伝えたところで、ぶうぶうと豚の鳴き真似をして相手を馬鹿にしているようにしか聞こえないだろう。
食っちゃ寝、食っちゃ寝。
平和で素晴らしい日々だ、元々神が人間に与えた住処はそういうものだったはずである。
余計な知恵をつけたせいで楽園から追放されたのだから、そろそろ人間は原初に立ち返ってぐうたらするべきである。
なんて抗議しようものなら二対一の三者面談、言葉で一方的にボコる説教という名の集団リンチの始まりだ。
円形脱毛症がストレスを原因とするなら、概念的に日が暮れる頃には改心して出家でもする気になったのかと二人に勘違いされそうなくらい頭が物理的にスッキリしてしまうのは間違いない。
雄弁は銀、沈黙は金だ。

「とりあえずビタミン剤を処方する、毎食後に飲ませるように。ここのところ飽くまで個体比的にだが修練や勉学にも励んでいるようだから、意識的に休ませるように。」
「わかりました。経営顧問らにも、マスターがなるべく規則正しい生活が送れるように業務スケジュールを調整してもらいます。」
「事情を説明しても、どうせ鼻で笑われて終わるだろうから診断書を書いてやろう。直接スタッフに渡しておく。」
「感謝します。何かあれば適宜先生に相談します。」

だからそれがもうストレスなんだよと、ジュナスタはがんばって飲みこんだ。
ここで異常なのは自分で、周囲が普通なのだ。
ほんとなんでこんな意識高い系なところに来てしまったのかと嘆きたくもなるが、悪い事ばかりでもない。
しばらくは大義名分を得て大手を振ってぐうたらできるじゃないか。
我慢は疲れるものだ、ぐうたらを許された今は一刻も早く昼寝がしたい。
後半だけ伝えたら、アルジュナはジュナスタを抱き直して速やかにマイルームに戻ってくれた。
 
「いやいや、無理があるから。なんかすごい物言いたそうじゃん、どしたの?」

ジュナスタは部屋着に着替えていそいそとベッドに寝そべったはいいが、布団でも遮断できない気配に問わざるを得ない。
いない振りなどと無駄な抵抗をするので、体を起こしたら姿を現した。

「おやすみなさい。」
「よく言うよ。アルジュナの気配がうるさくて眠れるかって、あ、距離とったって一緒だからね。」

音にするならぐぬうという表情をしたアルジュナの手を、ジュナスタは両手で掴んで引っ張った。

「まあまあ、座りなよ。そんでもって言いたいことがあるなら言ってくれい。どんな言葉でも一応聞くだけは聞くから。」
「マスターのストレスになりかねません。」
「今まさに鬱陶しくてストレスだっつの。」

今度はぐぬうと音にしたアルジュナは、ジュナスタの手を握り返した。

「どんな些細なことでもいい、何でも言ってください。」
「わかりました、って、え。まさかそんなことを言うのにそんなにためらってたの?」
「サーヴァントとして、マスターの言わんとすることを察せられないのは致命的過失です。それを棚に上げてマスターにお言葉を請うなど、情けなくて自省の念に駆られます。」
「ああ、それでぐぬう。」
「…はい。」

ジュナスタはじっとアルジュナを見上げて、じーっと漆黒の瞳を見つめて、ふっと笑った。

「言葉にしてくれてありがとう。まずそれについては私だって、マスターとしてサーヴァントの考えてることを察してあげられなきゃいけないのにこんなんなんだからさ、お相子ってことでいいと思う。」
「マスターはもう少し私の気持ちを察してくれてもよいように思いますが。」
「はい次。アルジュナはこの状況にあってもすぐぐうたらしようとする私を飴と鞭でビシバシできる貴重な存在なので、サーヴァントだからって私の我儘に振り回されちゃだめだと思う。今回はアルジュナがそんな顔するくらいだから飴が必要なときと判断し、素直にお言葉に甘えることにする。」

アルジュナは少しだけ眉間に皺を寄せているが、ジュナスタは歯を見せて笑った。

「くだらない虚勢で余裕ぶってみたものの、さすがにちょっと疲れた。」
「最近、飽くまで和子にしては、がんばっていましたからね。」

アルジュナの眉間から皺が消える。

「だからって、これはどうなんでしょう。」
「じゃあカルナさんとこ行くけどいいの?」
「絶対に許しません。」
「でしょ。」

これとは。
アルジュナは、ジュナスタがいつの間に用意したのかわからないが、ふわふわもこもこの黒猫の着ぐるみ(男性用)をまとい、ジュナスタを抱きしめて添い寝している。
ジュナスタは、アルジュナの懐でふわふわもこもこに頬ずりして堪能している。

「すっごい癒される。」
「一肌脱いだ甲斐もあります。」
「実際は一皮増えてんだけどね。」

今は飴、アルジュナには理解できないことでも、徹底的にジュナスタを甘やかせてあげたいところだ。
アルジュナが肉球の付いた手でジュナスタの頭を軽く叩いてあげると、ジュナスタは嬉しそうに笑った。

「ありがとう。私は大丈夫だから、まだできることがあるから、これにめげずに付き合ってね。」
「当然です。あなたのサーヴァントが務まるのは、このアルジュナ以外にあり得ません。」
「そう思う。他の英霊方にこんなお願いできないし、できたとしてもしてくれないと思うし。」
「言いたいことついでにもう一つ、よろしいですか。」
「はいはい、どーぞ。」

ジュナスタは軽い調子で答えたが、アルジュナの言葉にはいつもブラックホール並みの重みがある。

「私は他のマスターを引き合いに出すことはあれど、優劣や可不可に一喜一憂することはありません。私のマスターは和子であり、和子以外になく、和子が私のマスターなのです。同じく、和子も他のサーヴァントと私を比較して勝手に盛り上がったり落胆したりしないでください。あなたのサーヴァントはこの私、アルジュナだけです。」
「ほほう。つまり、ヤキモチですか。」
「それ以外に何がありますか。」

赤面するジュナスタに気づかず、アルジュナはこの際だから言いたいことを言わせてもらう。

「私の腕に抱かれながら宿敵の名を出すなど、言語道断。二度はありません。」
「…はい。」
「あなたを癒すためならこのアルジュナ、猫にでも犬にでもなります。それほど敬愛しているのですから、気軽におねだりして私の思いに応えてください。」
「…私は軽くてもアルジュナが重いんだってば。」
「当たり前です。いつか比重を同じくして差し上げますから、覚悟してください。」
「ひえ。」
「ちなみに、この衣装はどこで手に入れたのですか?」
「…サンタさんがくれた。」

少し冷えたアルジュナのふわもこ懐に、ジュナスタは擦り寄って暖を求めた。

「私が着たら大きかったから、おかしいなって思ってたんだけど、サンタさんがその、サンタさんだったから、細かいことは気にしてなかったんだけど、…ああ、こういう“遊び方”だったのかって。」
「サンタさんからの贈り物ならば仕方ありません。納得です。」

アルジュナのふわもこ懐に温もりが戻ってくる。
なんかこの人随分とダメマスターに感化されてきてるなと、ジュナスタは悪い気はせずうとうとしながら微笑んだ。

「おやすみなさい、和子。よい夢を。」

夢の中でジュナスタは、赤く雄々しい背中に続いて元気いっぱいに合戦場を駆け、傷だらけになりながらも同僚の影に見守られながら勝利の雄叫びを上げ、赤いもふもふに上司共々力いっぱい歓迎されて癒された。
策略謀略を張り巡らせようとまだ人の命の価値が暴落していない戦いは、ジュナスタが現実で決して味わうことのない高揚感と充足感がある。
ご先祖様はよほど時代と上司に恵まれたのだなと、零れた涙はアルジュナのふわもこ着ぐるみに吸い取られた。

 



コメント(1)

[*前へ]  [#次へ]



戻る
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
あきゅろす。
リゼ