The Beast.
 2012
人が紡ぎ上げた欠片達を
窓の外から眺め続けた
ドアを作る事も出来なかった
それは幼い僕のプライド

(美女と野獣の王子は
魔法を掛けられ人から
醜い獣の姿になりました。
私は自らに魔法をかけ
醜い人から美しい獣になりました。)

『隠し事をしてました
傷つくのが嫌でした』
やっと築いた僕だけのお城は
余りに空虚で満ちていました

ある日現れたあなたは
僕が望む全てを持ってた
僕が積み上げたレンガを
容易く飛び越え触って気付いた
「悲しいくらい冷たいね
ずっと寂しかったんだね」
怯えて 離 れ て 飾って 測って
焦って 乱れて 貶して 逃げだした!

人が紡ぎ上げた欠片達が
折り重なるのを羨んでいた
孤独に作り上げた僕の城
ドアを閉ざした僕のプライド

(秀麗な面立ちと
死なない身体を手に入れた私は
一人で何でも出来る気に
なっていたのです。)

『隠し事をしてました
失うのが嫌でした』
やっと現れたお城の住人
初めての愛に戸惑いました

「同情なんかはよしてよ
お前にわかってたまるかよ」
握って齧って零して暴れて
それでもあなたは拾って掴んでた!

行き交う群衆の愛を見つめ
一番大切を避け続けた
孤独に慣れ親しんだこの身が
日だまりで溶けるのを許さない

(だから猶の事、他人を必要だと思う
自分が許せなかったのです。
強がりは半世紀に渡り
…それはあまりに幸福な時間でした。)

『隠し事をしてました
それが愛と知っていました』
そっと消えていった城の住人
恐れた感情が込み上げました
(かなしい   さみしい  いやだ
はなれたくない       すき)

『隠し事をしてました
永遠(とわ)の愛を望みました』
与えられたのは永遠(えいえん)だけ
初めて人のため吼えました



「扉を開いて
縋って 握って 笑って 紡いで
愛せばよかったなぁ…」




与えられた温もりの影が
僕の孤独の城を 許さない
自分で枷をはめたこの身体
永遠(とわ)に僕の終わりを 許さない

行き交う群衆に愛を蒔いて
永遠(とわ)に涙を紡ぎ続けて
またあなたに会えるその日まで
何千年先も待ち続ける











作詞作曲:スペクタクルP

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