同人(4)
2010.12.13 Mon 03:54
あさちゃんからのリクエストで仏英小説。
とりあえず書いてみました(´;∀;`)
※裏は無いです。同人嫌いな方は回れ右´`;
暖かいって思ったのは。
(冬が嫌いになれない理由。)
「さむ…」
昼間の公園で落ち葉を踏み締めながら歩く。
ジャンケンに負けて、昼食の買い出しを頼まれたのだ。
「おーい!待てよアーサーっ!」
「煩い。お前が歩くのが遅いんだ。」
こいつといると心も寒くなりそうだ。とにかく早く暖かい部屋でスコーン食べながら、紅茶でも飲みたいのに。
何でよりによってあいつと買い出しなんだ。頗る面倒臭い。
アルと一緒ってのも面倒そうだが。とりあえず早く買い出しを済ませて帰ろう。
はあ、と白い息を吐いて空を仰ぐと、持っていたマフラーを適当にぐるぐると首に巻き付けた。
「お、あったかい。」
手袋もあればバッチリなのに。
そうだ 今度の休みの日には少し遠出して暖かそうな手袋を買おう手袋を買いに行こう、
何て頭の中で考えていると後ろを歩いていたフランシスにマフラーを引っ張られた。
「んっ…ちょっと止めろよ。」
後ろを振り返り睨むと、フランシスがやれやれ と言うように首を振りながら口を開いた。
「マフラー引き摺ってんだよ。」
「あ、」
そう言えば確かに。
首だけ暖まればそれで良いや、位にしか思っていなかった。
良く見ると引き摺っていたマフラーの裾の部分には、枯れ葉や土がくっついている。
まるで歩く掃除機(小)だ。
「第一、長過ぎんだって これ。」
それゃあ本当は二人用。
カップル用だし。
「安かったんだよ。」
そう口を尖らせると鼻で笑われた。
確かに買ってきて巻いてみた所、あまりにも長さを持て余していたので着用するのはやめようかとも思ったが、やっぱりそれは勿体無い。
返品も考えたが何にせよセールで買った物だから返品は不可なのだ。捨てるのもやはり、申し訳無い気がする。
「お前本当に無計画だな。確認してから買えよ。」
「関係無いだろ。」
と、言うか誰か一緒に巻いてくれる人がいれば良いんだが 何て。
「じゃ、もうちょっとちゃんと巻けよ。」
「あぁ、うん。」
曖昧に返事をして、これまた適当に巻き付けたらまたしても彼にほどかれた。
「おい、せっかく巻き直したのに。何すんだよ。」
文句を垂れて顔をしかめる。
露になって外気に晒された首の辺りがスースーして、変な気分だった。
「巻いてやるよ。」
「…きも。」
「せめてありがとう位は言えよな。」
そう言って困った様に笑うフランシスを見て、ツンと顔を背ける。それから小さな、あくまで相手に伝わらない様な小声で、
「ありがとう。」
と、地面に向かって呟いた。
どうやらこの感謝の言葉は聞こえていないらしい。
それでもまあ良いや、何て思いながらマフラーを巻いている彼をボンヤリと眺める。
長いマフラーを苦戦して巻いている姿をジッと見ていたら、何やら面白くて笑ってしまった。
でも、
笑う代わりに俺から出たのは、涙だった。
「え?ちょ…苦しかったか?」
きつく締めすぎたのかと、慌てるフランシスの手はとても優しくて暖かくて、もう少しだけこうしていたいと思った。
「…なぁ。」
「ん?」
手の甲でグイ、と涙を拭いながら口を開く。
「え、と。」
モゴモゴと、口の中で言葉にするが上手く伝えられない。
まるで自分が喋れない人形になったようで、苛々した。
「しょうがないなお子様は…。」
そう言ってからフワリとマフラーがフランシスの首にも巻かれた。
男同士、正直端から見れば気色の悪い光景だが別に他人の目は気にならなかった。
「これで引き摺らないし、俺も寒くないし…一石二鳥 だろ?」
してやったり、と言わんばかりのフランシスを殴ってやりたい気持ちもあったが、暖かさが心地好くて苛々も何とか落ち着いた。
「おい。」
「ん?」
「手ぐらい、繋いでやっても…良いぞ。」
(俺が冬を嫌いになれない理由は、この馬鹿のせいかもしれない。)
P.S.
すいません。
すいません。
すいません。
殴らないで下さい。
より子はトマトの妖精です。
とりあえずあさちゃんごめんね\(^O^)/
コメント(1)
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