月と海。
 2013.07.14 Sun 22:54

あるところに、一人の海賊が居た。
西国の"西海の鬼"と呼ばれる奴。
雪国に生まれた一匹の隻眼の竜。
鳥籠に閉じ込められて、日常に嫌気が差し、生きる気力も無いまま、ただただ日々を過ごしていた。

ある日、鳥籠から抜け出した竜は気の向くままに空を舞っていた。
久々に、太陽の元で。自由に。
しかし、竜には帰る場所はなかった。
そんな時見えた…銀髪で左目を眼帯で覆った野郎が、俺に向かって腕を広げている。『こっちだ』
腕の中に降りた竜は、もう大分前に感じたきり全くと言って良い程忘れていた感情を手に入れた。

沢山の言葉をくれる奴。
名前は元親らしい。
元親は俺に居場所を与えてくれた。
沢山の場所に連れて行ってくれた。
今や一緒に航海を続けている。
月が海を照らす限り、どこまでもな


そんな竜は、俺(笑)


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