嗚呼、なんて馬鹿らしいのか、この世界。
死んで生まれて、死んで生まれて、生きて藻掻いて、苦しんで泣いて。笑って怒って悲しんで。そしてまたまた死んでゆく。
死んだらいったい何になる?
幽霊?天使?悪魔?神?いやいややっぱり土くれ?空気?全て?無…?そもそも魂なんてあるの?目に見えないのになんで存在を知ってんの?じゃあ、脳は何?心は?体は?ぜぇんぶ、魂が操ってんの?
だいたい、自分ってなんなのさ。私が自分だって言ってるこの口か?それともその口を動かすように命令下してる、頭蓋骨っていう意外と脆いガード内の脳?え、心?魂?脳ってただの器官じゃないの。心だってハートでしょ?やっぱ臓器じゃん。
あ。あと、心は身体の真ん中、ここにある。とかなんとか言いながら胸の上のあたりを指す人いるけど、体の中心はみぞおちでしょ。だいたい、そこに心臓なんてねぇよ。あれ、魂って心と同意義語?確かにどっちも見えないものってされてるしね。
なら、本当に心は魂は見えないの?
身体に宿る、だっけ?してるんでしょ。じゃあ、人体細胞ひとつひとつに分解して、さらに半分にしてみたらさ、どっかに隠れてるんじゃない。少なくともないとは言い切れないよね?もしいるってんなら、試したことあんのかよ。ん?
あーあ、あー、あー、あ〜〜?本当に、この自分の連綿と続く思考すらも馬鹿らしいね。馬鹿らし過ぎて、笑いたくなっちゃうよ。は、はは。あはははははははは。あっははははははははははははは!
ほうら、見てごらんよ。
こんな道のど真ん中で青年が一人笑い転げてるのに、だぁれも、なぁんにも言わないんだ。何コイツ、頭可笑しいんじゃない?て、軽蔑した目をやって距離をとるだけ。はは。すごいね、スクランブル交差点のど真ん中に空間がぽっかり開いてるよ。
世界なんてこんなもの。変な目したって次の瞬間に俺は世界から消えてるんだ。
それでも世界はまわってく。
(みぃんなだって、同じさ!)
fin.