告白をした。






メールを使って。



だって、直接なんて無理だし…。



高鳴る鼓動を抑えようと小さく息を吐いた途端、震える携帯。



あまりの衝撃に目をかっ開いて、呼吸が消えた。




え。…えっ!?



返信?早い。早すぎる。



無理だって、
心の準備があぁぁああっ!




パニくりながらも動く指。



メールフォルダを開いてゆく。



あぁ、これ、本当に自分の指なんだろうか。



自立してるよ。
私の意志を尊重しとらん。



逃避する思考を置き去りに決定キーはメールを開いた。





…………………って。





これ、メルマガじゃねぇかあぁぁあああああああっ!!






激情に駆られ、携帯を畳に投げ付ける。



振りかぶった分の勢いで気に入りのストラップと電池パックが吹っ飛んだ。



いや、分かってるんだよ。



携帯やメルマガに罪はない。



でも、タイミングってもんがあるだろう。



深い溜め息が漏れる。



同時に表示される新着メール。



軽い気持ちで見た画面に、自分の心ががらがらと音を立てて崩れ落ちた。



たった一言、3文字の言葉。





ごめん。





灰になる、の意味が分かった気がする。



よろめきながら電池パックへ手を伸ばした。



横に落ちた兎の嫌味なぐらい素敵な笑顔が目につく。
















世界はそんなに甘くなかった。



「あ、これ金具が壊れてる…。」














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