不思議な女が、高杉の嫁になったと聞いて、長州に久しぶりに帰ったんで、寄ってみた。


「元気そうじゃねえか」

「不知火か、久しいな。京に出てもう数年か」

「まあな、それより、高杉は祝言をあげたそうじゃねえか、桂の野郎が、残念そうに俺にいってきたぜ」

そういうと、高杉は苦笑し、咳き込む

「おい、大丈夫か」

すると、どこからともなくパタパタと足音が聞こえてきて

「晋作さん、また無理したんですか――!」

やけに、露出の多い服を着た女がおそらく母屋の奥から来たらしく息を切らせて中に入ってきた。

「リョウ、これはただの咳だ。発作じゃない」
「でも……」
「心配すんな、客人が驚いてる」
「えっ、あ…お客様!大変、お茶出しますね」

慌てふためる、女はなかなかの美人で、まあ高杉にはちょうどいいか

「いらない、少し立ち寄っただけだ、俺はそろそろ京に帰らないといけねーからな、風間のやつに、怒鳴られちまうからな、あんまり遅いと」

「また、長州に来るときは寄ってくれ」

「もちろんだ、じゃあまたな」

そういうと、俺は京に向け歩き出した。そして、それが高杉との今生の別れになった。


*END*

幕末乱れ咲×薄桜鬼
高杉ルートでまさかの不知火乱入を想定して考えた話です。

高杉晋作の命日が旧暦4月14日なので、このような話とさせていただきました。

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