ナルト×サスコ。



 描くのは未来予想図





「今回は思ったよりずっと早く終われたわね!」


予定より早くに任務が完了し、チームメイトたちは上機嫌で木の葉への道を進む。

せっかくだしこの後みんなで打ち上げでもしない?と盛り上がる中、サスケは一人、チームメイトたちの後方を走っていた。


何だかいつもより、体がひどく疲れているように感じる。
任務で頑張りすぎたわけではない。
今回の任務は予定より早く終わり、大したものではなかったのだ。

ならば‥風邪でも引いたのか。

サスケはチームメイトのスピードに付いていきながら、早く帰って休もうと決める。


「それでさ、サスケくんはどこが‥」

チームメイトと楽しく話し合っていたサクラが、サスケの横に並び、打ち上げについての意見を求めようとする。

しかし、サスケの顔を見た途端にサクラの言葉は途切れる。


「‥サスケくん!?何か‥顔色が‥。大丈夫?ちょっと休んだほうが‥」

楽しそうだった表情を一変させたサクラを見て、そんなに自分は顔色が悪いのだろうかとサスケは思う。


「‥‥大したことない。どうせあと少しで里に着く」

心配そうなサクラに曖昧に笑い、サスケは里への道を急ぐ。


しかしその時、サスケは今までにない激しい吐き気に襲われ、思わず足を踏み外してしまう。


「っ!!?」


「サスケくんっ!!!」


落下しそうになったところを、すぐに気付いたサクラが支える。

サスケは続く吐き気に口を押さえながらその場にうずくまった。


「‥悪い‥サクラ‥」


「やっぱり休んだほうがいいわ。こういう時は絶対に無理しちゃ駄目よ」


サクラの声に気付いた他のチームメイトが驚いた様子で二人のもとへ駆け寄ってくる。

サクラが事情を説明し、サスケたち四人はしばらくの間その場で休むこととなった。





木の葉病院のある一室。

ようやく里に戻り、早く帰って休もうとしたところを、ちゃんと検査したほうがいいからとサクラによって強引に木の葉病院まで連れて来られてから数時間。

この部屋で結果が出るまで待つように言われたサスケは、することもなくただぼんやりと近くの窓から外を眺めていた。


今は帰る途中に襲われた激しい吐き気もなくいつもと変わらない。

帰る途中にサクラが診た限りでは、任務中に敵に何か術をかけられたわけでも、薬や毒の影響を受けているわけでもなかった。
単なる疲労ではないかとサスケは思う。

最近毎日任務ばかりだったから、少し休暇をもらえれば大丈夫だろう。


そう考えていたサスケは、しばらくして部屋に入ってきたサクラの表情に訝しげに眉を寄せた。


「サクラ?」


「‥検査の結果が、出たわ」


「あぁ」

先を促すようにサクラの瞳を見つめれば、彼女は妙に真剣な眼差しでこちらを見据える。


「‥落ち着いて、聞いてね?」


「そんなに悪い結果なのか?」


「‥‥それはサスケくん次第よ」


「?どういう意味だ?」


「‥‥サスケくんはね」


一度言葉を切るサクラを変わらず見つめる。

しかし次に告げられた結果に、すべてが真っ白になった。


「妊娠、してるの」





――――――――――

所謂、妊娠ネタ。

続きます。






「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
あきゅろす。
リゼ