学園パラレル 高校生×中学生。



 恋が芽生える音





「告白されたぁ!?」


朝のHRが始まる前。
自分がぽつりと漏らした言葉に、キバは大袈裟なくらいに反応した。


「‥声がでかいってばよ、キバ」


「‥悪い。でも大きくもなるだろ普通!だって告白してきたの、男だったんだろ?」


「男だった」


「‥最近のお前が女子にちょっとばかし人気出てきたのは知ってたけどよぉ、まさか男にまで人気があったとはな〜」

ケラケラと面白そうに笑うキバを、人事だと思いやがって、とナルトがジロリと睨む。


「つーかそれは、ただお前がそいつにからかわれただけなんじゃねぇのか?」

しばらく二人のやり取りを黙って聞いていたシカマルが、面倒くさそうに口を開いた。


「‥からかわれた、だけ?」


「あぁ。普通に考えて男が男に告白なんて、ありえねぇだろ」


‥まあ、確かに。
ありえねぇってばよ。

シカマルの言葉に、ナルトは一人納得する。


「で?そいつ、どんな奴だったんだ?」

キバの問いに、ナルトはうーん、と考え込む。


「黒い髪で‥えーと、木の葉学園中等部の制服着てたっけ」


「へぇ、一応同じ木の葉の奴なのか。‥つかお前、年下にからかわれるなんて情けねぇなぁ」


「うるせぇってば!くっそ〜、何で俺が年下の中学生なんかにからかわれなくちゃなんねぇんだってばよ!」



『‥あんたのことが、好きだ』


真っ直ぐに自分を見上げてそう告げた、漆黒の瞳を思い出す。
その綺麗な瞳に捕われて、まるで一瞬だけ時が止まったかのような錯覚に陥った。


からかっているようには、見えなかったけれど。

冷静に考えてみれば、あの言葉は本気なわけないと、すぐに理解できる。


朝、駅で唐突にたった一言だけを告げて去って行った、名前も知らない漆黒の少年。

何故彼は、見ず知らずの自分に、わざわざあんなことを言ったのだろうか。


ナルトはそれだけが、どうしても気になった。





――――――――――

中学生サスケ→高校生ナルト。

もう少し続きます。





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