今回から始まりました特集では和歌山県内で活動されている様々な方々と一緒に防災について考えてもらうという企画になっています。
第一弾のテーマは「防災とアロマ」です。紀ノ川市でアロマテラピーサロンをされている中村汐里さんにお話いただきました。



「防災とアロマ」

一見防災とアロマは関係ないように思います。しかし、3.11の東日本大震災を経て、非常時の食料品や衣料品などの生活にかかわる備蓄以外にも、親や子のメンタルケアをどうするのかという問題、気づきがありました。
非常持ち出し袋のなかにコンパクトにいれられて、気軽にできる親子のメンタルケアの一つとしてアロマオイルとアロママッサージがあります。



《アロマを取り入れるのはとても簡単なこと》
アロマは医薬品ではありません。日本では雑貨扱いになっています。アロマは私たちにとって身近なアイテムだと言えます。アロママッサージに関してはセラピストや専門の知識のある人が被災地にて行う場合もありますが、手にオイルをなじませて撫でてさすりながらコミュニケーションをとることだけでもリラックスの効果があります。是非お母さんの手から子供の肌に優しく語りかけるように撫でてみてください。それだけで子供のメンタルも落ち着いてきますし、お母さんの気持もスーッと軽くなっていくと思います。難しく考えず、まずは好きな香りを探してみましょう。



《防災グッズにアロマを取り入れるメリット》

◎アロマオイルは持ち運びしやすく少量で効果がある

◎災害に見舞われた際の不安や不眠などのメンタルケアとしてアロマが効果を発揮する

◎感染症や予防やけがをした時の応急処置に利用可能




《「安眠、リラックス、悪臭、衛生」に役立つアロマを紹介》



避難後、非日常の中で生活をしなければなりません。その際に、非常時だからということは頭ではわかっていても、心と体は長時間のストレス過多状態になると考えられます。特に睡眠の質の低下だったりがさらに心と体のバランスを崩してしまうかもしれません。そこで、避難生活の中で活用できそうなアロマを厳選してみました。
アロマオイルは植物天然成分を凝縮したもので安眠、リラックス作用、悪臭に対して効果を発揮したり、殺菌や薬理作用で衛生面に役立つ効果があります。


◎ラベンダー

ラベンダーは安眠やリラックス効果が高く、広く親しまれなじみのある香りが安心感を与えます。
他のアロマオイルに比べて刺激が少なく、肌に直接原液塗布できるオイルで、やけど、皮膚の損傷、虫刺され、虫よけ、打ち身、軽い痛みどめ、などの薬品の代用品として代替えすることができます。
殺菌効果もあるので消毒薬としても使えます。(注意:低血圧の方は使用を避けてください。)
一番オススメのアロマオイルです。



◎ゼラニウム

花のような甘い香りで虫よけ作用があります。ゼラニウムは女性にオススメでホルモンバランスを整えリラックスさせてくれます。生理前のイライラしたときに嗅ぐと効果的です。



◎ペパーミント

すっきりと爽やかな香りで殺菌、抗菌作用に優れています。胃の吐き気やむかつきなどに効果があり、鎮痛、冷却作用もあります。
みぞおちに塗ると胃がスッキリします。また頭痛の際はこめかみに塗ると痛みが軽減します。



◎ティートリー

強力な殺菌作用があり「バクテリア、ウイルス細菌」などに効果があり、感染症予防の効果や消毒液としても使えます。
例えばティートリーのアロマスプレーを作り、マスクにスプレーしておくと空気感染系の病気にかかりにくくなります。また、嘔吐物に直接オイルを振りかけておくことでバクテリアやウイルスの増殖を抑えるのに使えます。




《アロマオイルの対象者》

アロマオイルは3歳未満の乳幼児には香りを嗅ぐ使用方法「室内芳香」以外はすすめられません
通常肌に使う際は油(ベビーオイル)、エタノール(化粧水)などに希釈して使います。3歳以上のお子さんでも大人より少ない量・濃度で精油を使用することをオススメします。
(希釈濃度 大人→約1%、子供→約0.5%)
災害時での使用は芳香や殺菌、消毒といった使用であれば産後3か月以内の乳幼児でなければ問題はないかと思います
マタニティーにもアロマオイルは使用できますが、通経作用や刺激の強い物は使用を避けてください。


●刺激の強い物●
クラリセージ、ペパーミント(肌に直接塗るとき)、マジョラム、サイプレス、ジュニパー、スウィートフェンネル、バジル、パセリ、ジャスミン、ローズ、ローズマリー、シダーウッド、ミルラ(没薬)、レモングラス、セージ、ヒソップ
その他敏感な体質の方は香りには反応しやすいこともありますので不快感や異変を感じるときは使用を中止してください。




《防災アロマ使用法》

◎ティッシュや布に含ませて使用する(室内芳香)
ティッシュに直接オイルを数滴たらして使用します。一番手軽な方法です
<使用例>
眠れないときにラベンダーのオイルを1滴含ませたティッシュを枕元に置く
胃がむかついているときにペパーミントを含ませたティッシュを嗅ぐ
虫を寄せ付けないようにゼラニウムを含ませティッシュを部屋の出入り口に置いておく

◎マスクに含ませて使用する
感染病防止の効果があります
<使用例>
直接1〜2滴オイルを含ませて通常通りマスクを装着するだけでアロマが空気清浄作用と殺菌作用で感染症を防げます。周りの悪臭が気になるときにも効果的です。オススメオイルはティートリーです。

◎体を清拭する際に使用する
水やお湯にアロマをたらし、その水をタオルに浸し、絞ったタオルで体を清拭すると、殺菌・芳香が同時にできてとても衛生的です。分量は洗面器に一杯分でオイルは2〜3滴くらい。

◎直接肌に塗布する
刺激の少ないラベンダーで切り傷、やけどに使用できます。
ペパーミントは少し刺激が強いですがみぞおちに塗布すると吐き気止めになります
頭痛にはこめかみに直接塗布すると鎮痛作用があります。

◎スプレーとして使う
広範囲に殺菌したい場合や、悪臭が気になるときや、リフレッシュしたい時に使えます。直接殺菌したいものや悪臭の気になる個所にスプレーしたり肌にも使えます。
後でレシピを紹介します。

◎マッサージオイルとして使う
植物油でアロマオイルを希釈して濃度1%で使用します
マッサージしたい個所に薄く伸ばして使用します
植物油10mlに対してアロマオイル2滴が濃度1%です




《アロマスプレーレシピ公開》



材料:スプレーボトル、無水エタノール5ml(なければウォッカなどのアルコール度数の高いお酒でもOK)、アロマオイル10滴程度、精製水45ml(なければただの水でOK)

作り方:無水エタノール(5ml)にアロマオイル(10滴)を混ぜる→最後に精製水45mlを加えて混ぜる


《アロマオイルはどこで手に入るの?》
アロマテラピーショップ、ハーブショップ、デパートのアロマテラピーコーナーで手に入ります。
「生活の木」「ニールズヤードレメディーズ」などのブランドが有名です。
和歌山市だと近鉄百貨店5階の「生活の木」や本町の「ラベルビー」が品ぞろえが豊富です。アロマテラピーサロンmemeでも取り扱いはありますが、注文いただいてからの発注となります。




《アロマオイルの品質の違いって?》

同じ香りのアロマオイルでも値段が安いものから高いものまであります。注意して見ていただきたいのは「100%Pure&Natural」または「Pure Essential Oil」の表記があるかどうかと、植物の産地が表記されているか。表記のない物はポプリオイルや合成のアロマオイルなので厳密にはアロマオイルではありません。価格が安い物は効果が変わってくるおそれがあります。
本物のアロマオイルは植物の学名、抽出部分(位)、抽出方法、生産国(生産地)、または原産国(原産地)がラベルに表記されていて、遮光性のビンに入っています。





◎プロフィール

中村汐里 (Nakamura Shiori)


和歌山県紀の川市生まれ
2007年 AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー取得
2011年 AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター取得
2012年9月 自宅にてアロマテラピートリートメントのサロンmemeオープン


◎サロンのご紹介



アロマテラピーサロンmeme

営業時間:10:00〜20:00
定休日:毎週火曜 ※他不定
住所:紀の川市貴志川町岸宮937-2
tel:0736-64-7920

HP:http://www.meme-aroma.com/

自宅にて1日3名限定でリラクゼーションアロマテラピートリートメントをしています。
・血液の循環不良などから起こる頭痛、肩こりの緩和と予防
・腰痛などの痛みの緩和
・血液の循環が良くなり、体の冷えが緩和される
・セルライトが改善、むくみ緩和
・ホルモンバランスの調整
・自然治癒力や免疫力を高める
・高ぶった神経を沈静し、深いリラクゼーションへ導く
などがアロマテラピートリートメントによって期待できます。何より、ふれあいによってリラックスしていただけて気持ちも体もリセットできるようなそんな空間づくり、技術の提供を心がけています。


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