本
2010.01.04 Mon
新年最初に読んだ本です。
ブッ○オフで105円の棚にあって、なんとなく目を引いたんで買っておいた本なんですが買って良かったこれ。
好き嫌いははっきり別れる話だと思いますが、個人的には当たりだったのでちょっとご紹介。
邦題は「テ/ィモレ/オン センチメン/タル/ジャーニー」で作者はイギリスの作家ダン・ローズ氏です。
大筋は「名/犬/ラッシー」のシュールバージョンみたいな感じで、形としての真新しさはあんまりないんですが、とにかくシュール。ひたすらシュール。基本的に後味わるい。でも読んじゃう。
物語の舞台はイタリアで、犬の飼い主はラ○シーのような少年ではなく、ゲイセクシャルの孤独なイギリス人の老人。もうこの時点でなんかシュール。
犬を手放す事情も圧力によるのっぴきならない家の都合じゃなく、孤独な老人ののっぴきならないエゴ。
方向性が分かってくると途中からもう物語のラストがなんとなく想像できて「うわ、え、マジでそれだけはやめてね?ちょ、マジでさ!」って思ってしまうんですが、それでも読む手を止められませんでした。
途中で犬が家路を辿るまでに出会った人達のエピソードが短編的に挟まれるんですが、それらも基本的にやるせないんですよ。いや、短編としてひとつひとつが凄く魅力的なんですけどね。でもなんか読んだ後「あー…うん」と呟きたくなるといいますか。
ひとつひとつのエピソードに嫌悪感を感じたり心が温かくなったりして「で?どうなる?」って思ってると最終的には「あー…うん。ね…」みたいな。
説明下手ですいません。
でも「面白い!」というよりは抗い難く惹かれるストーリーって感じでした。いや、でも面白いよ。ほんと胸糞悪い登場人物もいますけど。
フィクションでも動物絡んだ話は美談以外は無理だという方や、勧善懲悪以外は嫌だなぁという方にはお勧めできませんが、文章がすごい淡泊で読みやすいしページ量もそんなにないから数時間程度で読めるので興味を持った方がいらしたら是非読んでみてください。
まあ私のわけわからん感想とも言えない上の語りで興味を持てと言われても無理な話ですね。
この作者さん、もともとは短編作家らしいんですが他の短編は和訳されてるのかなぁ。すごい読みたい。
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