幽霊ネタ
 2011.03.06 Sun

金曜日
週末の帰り道に突然にわか雨が降ってきた
僕は偶然傘を持ってなくてどうせ直ぐに止むだろうと学校近くの公園の遊具で雨宿りしようと公園に入った
『君も雨宿り?僕もなんだよ』
どうやら先客がいたらしい
ローズピンクのランドセルを地面に置いて壁にもたれて読書をしていた
「うん、傘を忘れてね」
『今日降るなんて聞いてないもんねー』
「そうだね」
家にいる相棒は大丈夫だろうか、とふと考えたが最近は母さんと世間話をするようになったことを思い出し、まあ大丈夫だろうと結論付けた
『君、名前は?』
「一乗寺賢。君は?」
『蛍子。ほたるの子で蛍子』
「へぇ、良い名前だね」
『ありがとう』
その子、蛍子はニカッと笑った
『止むかなー…』
「通り雨だろうから直ぐ止むよ」
『そっか…』
少し俯いて悲しい声を出す蛍子
「どうしたの?」
『止んだら…賢君とお別れ、でしょ?』
知り合ったばかりなのに…、と泣きそうな声で呟く
こんなに直ぐに別れるのは悲しい
何か良い方法は無いのか?
「そうだ!毎週金曜日、ここで会おう!」
『え…?』
「今日金曜日だから毎週僕達が出会った金曜日に会うんだよ。これならお別れじゃないだろ?」
『…うん。そうだね!』
笑顔になった蛍子を見て僕も笑顔になる
『あ、雨…』
「止んだね。じゃあ僕帰るよ」
『うん。ばいばい』
「またね」
蛍子はそこから動かず手を振った



『また、は無いんだよ…』



次の金曜日
公園でいくら待っても蛍子は来なかった










っていう幽霊ネタです
成仏しちゃったんです、蛍子ちゃん
賢ちゃん偽物だ…


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