手中の絆
2009.11.06 Fri
染め変えられた世界のなかで
繋がりはまだ鼓動と呼吸を続けてる
銀色の鍵の濁らない輝き
あの日々はまだ鮮やかな記憶
色褪せないままちゃんとこの手の中にある
産まれてから今まで生きてきたなかで
何よりも尊くて楽しかった時間
わかってくれる人がこの世に居る
だからこそあんなに嬉しかったのでしょう
震える躯 不安定な呼吸
終わらない絶望と迫り来る闇
繋がりが絶たれたような錯覚
だからこそこんなに怖いのでしょう
大いなる幻滅と迷妄の闇
呑まれそうになる心に
指先がなぞる文字を読ませて
慕わしい記憶に留めている
呼び掛けに呼応する声
ちっぽけな糸を辿って
ささやかな安寧とともに届く
だからこそ絶望してても自分を保てる
戻る