我が儘プリンス、来る【ベルツナ】


ある日 平和で平凡な並盛町に


王子様がやってきた


2−A。教室。


ツナ、獄寺、山本の三人はギョッとして相手を見た。


「ししし、相変わらずしけた顔ー」


・・・固






「Σうわああああっ!!出たーっ!!」

「てめェ何しに来やがった!!」

「獄寺くんダイナマイトしまって!!」









──沢田綱吉は オレの腕を引っ張って何処かへ連れて行った


「リボーン!!」


「うるせぇぞツナ」

「そこじゃないだろこれはどういうことなんだよっ!!」

「王子を「これ」扱いすんな」

「ちゃおっス」


「挨拶してる場合!?」


「今度の暗殺相手、十七なんだけどさー、ガード固くて近付けないんだよね。で、ソイツの学校に潜入してってことになったんだけど… でもオレんなトコ行ったことないじゃん。王子だから。

だから日本で予行練習しろってボスが。」


「・・・・・・」


「そっちのチビは知ってた筈だぜー」


「Σちょおおおお;;リボォォオン!!」

「うるっせーな」



「大丈夫だって。オレだってこっちでは大人しくしろってボスに言われてっし。」

「え…」


「気に入らない奴はちょっと刺すだけにしろって。だから殺さねーよ。つまんねぇけど」


・・・ツナの受難の生活スタート




──とりあえず 学校に行くと言うので

「ダメだって!!これ着て!制服!」

「ヤダね。それダセェもん」

沢田綱吉はオレの隊服を指さし「それとこれのどこに違いが!?」

「つか、なんで王子が他の奴らと同じ格好しなきゃなんねぇんだよ」

「それも同じだろ!」

「これは最強の証だもん」

「ていうか、その頭のも取れよ!」

「はぁ!?なんでおまえが指図すんの?」


「目立ちまくりだから!全然とけ込めてないから!ソレ」


「おっまえ…あんま生意気だとー…「ベル」


ナイフを出したオレにチビは声を掛ける。…チッ、何だし

「ザンザスに言うぞ」


「着る」





──学校に来たら来たで


「てめぇ…何でこんな所に居やがる」

「しし、ザコが吠えるなよ。オレに負けたクセに」


「果たす!!

チュドーンッ!!

「ヒャハハハハ」

「やめてくれ二人とも!」
「ははっ、賑やかなのなー」



──昼。売店。

「金は!?」

「ないよ。だってオレ王子だもん。つかこのパン不味っ。もういらなーい」

ぽいっ


「ちょっともうホントいい加減にし…Σ雲雀さん!!」

「誰だい風紀を乱すのは」

「ヒイイイイ来たああああ;;」


──ボッコボコ



帰り道。

「なんだアイツ!!いきなりトンファー振り回しやがって!ムカつくムカつく!」

(ヒドイ目にあった…)


「全っ然面白くねぇ!日本最悪ガッコー最悪!疲れた!」

(こっちのセリフだ)



ブツブツ言いながら歩いてるオレ達の目の前に二人の男が立ちはだかった。


「なぁ、金持ってねぇ?」

「大人しく出せば見逃してやっからよー」


(ま、またこんな…!;)


「痛い思いしたくねぇだろ?」


…ふーん


「面白ぇじゃん」
オレは二人の男の前にタンッと出る

「あ゛?」


「しししっ、やってみな」


──ゴッ ゴッガッドコッ ゴッガッ バキッ


「や…やめろベル…ッ」


「あ」


沢田綱吉は何故かオレを止めて引っ張って

走った。




───ハァ ハァ、ハァ…


「なんだよ。助けてやったんだから礼くらい言えよなー。 スッキリしたろ…」

─ガッ


「!!」

沢田綱吉はオレの胸ぐらを掴んだ。


「…やめろよ。相手は一般人だぞ。…二度とするな!」




・・・なに、こいつ


「うるさい」

バシッと振り払ってやった

「あれしちゃダメ これしちゃダメ ……っせーよ…」


「!!あ…… ご、 ごめんな?」


オレは顔を覗き込んでくる沢田綱吉の顔を殴った


─ゴッ


「Σぎゃっ」

「むかつく」

「口で言えばわかるから!!」




──日本に居る間、沢田家に泊めてもらうことになっていたオレは未だ眠れずに、静かに寝息を立てる沢田綱吉を見つめていた



(もう嫌だ。耐えられない。)

(こんな毎日クソだ。吐き気がする。)

(…この家の奴ら全員ぶっ殺して帰ったって……)


持っていたナイフを沢田綱吉に振り下ろそうとした瞬間


オレの脳裏に 沢田綱吉の顔が浮かんだ


(やめろベル…ッ)


「…………………ふん。バカ面」



───あれから数日 ベルはホームシックだった


(イタリア帰りてぇ)
(人ざくざく切りてぇ)
(あ゛〜〜…血が見てぇ)


「ベルくーん、ご飯よー」

階段の下から笑顔で沢田綱吉の母親が寝起きのオレを呼ぶ




───テーブルの上に用意されてたのはイタリア料理。


「ふふ、どうかしら。お口に合うといいんだけど」


「母さんがさ、そろそろイタリアが恋しいんじゃないかって」


「あららのらーっ!!オレっちも食べる!!」

変な牛ガキがオレの隣の椅子に飛び乗る。うぜ


「…不味かったらおまえら順に一刺しずつだぜ」

「なんでだよっ


パクっと一口食べてみる。


「………まぁウチのシェフには負けるけどな」

(あ、美味しいんだ)




「…美味しいなら良かった…最近、元気なかったような気がしたから…」


・・・・・・



「…しし、こーんなもんで王子を釣ろうなんて百年早いよ」


「ランボさん取っぴー!」

KYな牛ガキが横からオレの飯にフォーク刺しやがった


「ころす!」

「ΣΣストップストップ!!」





──── まぁ もう少しここにいてやってもいいけど



次の日、ボスから突然電話が入ってきた


「え?」


『ターゲット変更だって言ってんだろうが。すぐに帰国しろ。何度も言わすなカスが』


─ブチッ …ツー ツー…


・・・ボス… それは… いくらなんでも…






─こうしてオレは一旦イタリアに帰国することになった。


「じゃあ元気でな」

「早く帰れ!」

「まぁまぁ、獄寺くん;;」


「はぁ?誰に言ってンだよ。…しし、オレがいなくなたて寂しいだろうけど泣くなよ」


「…ははっ、泣かないけどちょっと寂しいかもな
(あー…でもやっと静かになるー…)」



・・・

「沢田綱吉。」

「え…」



─ 上を向いた沢田綱吉の唇に キスした



「!?!?」

─ちゅーーー


「っは…」

さすがに苦しそうだったから離してやった


「へへっ…//


またなっ」


(ええええ!?なに、今のっ;;///)





─ その頃


「遅い。迎えに行くぞ。日本まで」

「う゛ぉおい!!それおまえが会いてぇだけじゃねぇかぁ!!」




─── 翌日


「Σうわー!?なんか増えてる!!てかベル帰ったんじゃなかったのー!?」



「しし、おまえに会いたくて戻って来ちゃった♪」


「沢田綱吉…」


「ヒイイイイ!!ザンザスまで!?


もういい加減にしてくれー!!」









──end──


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