跡日
2011.12.10 Sat
「思えば、俺とおまえの出会いは最悪だった。廊下でぶつかった俺たちはそこでまず挨拶を交わすハズだった。俺はちゃんと『悪い』と言った。お前が軽すぎて尻餅をついたからだ。手だって差し伸べた。なのにお前ときたら『あっ!』と言った後、俺の腹に蹴りを入れて走り去っていったんだぜ?この俺様にだ。驚いたぜ、マジで。13年間生きてきて蹴りを、しかも年下からされるなんて初めてだった。あの時は本当に…可愛くねぇ奴どころの騒ぎじゃなかった。次会ったら必ず殺すとまで思ってた。そしたらその日の部活にいたんだよ!お前が!!マジで驚いた。後輩かよ!みたいな。お、今のちょっと立海のジャッカルに似てなかったか?似てたよな?」
「似てません」
「…そうか。まぁいい。それで俺は見つけた!と思ってお前に近づいた。そしたらお前は何食わぬ顔で『お疲れ様です』と言ったわけだ。これにもまた驚いた。さっきはスゲー勢いでスゲー不躾なことをした奴が俺に頭を下げたんだ!!俺はその時気付いた。こいつは素晴らしきツンデレだと!」
「これ、いつまで聞けばいいんだ…?あ、鳳。一緒に帰ろう」
「え?これ、置いてくの?」
「いい。何かマイワールド入っちゃってるから」
「そう。じゃあ帰ろうか」
「…で向かったわけだがお前は俺に見向きもしないまま行ってしまった。だが俺はそれは愛だと分かっていたぜ…フッ…」
「跡部、ちょっとうるさい。会計手伝ってくれないなら邪魔だから帰って。」
「…仕方ねぇ。続きは帰りに…あれ?若?わかしー!!!!!!!!」
(本当に騒がしい部長だよ…)
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