「何の真似だ？」

「二人きりだし良いかなぁ？って」

「………」

「………」

「いいわけねぇだろ」

「ですよね」

「………」

「………」

「………」

「………」

「いつまでそうしている気だ？」

「え？」

「早く退け！」

「今ですか？」

「当たり前だ！」

「ですよね」

「今退かなかったらいつ退くんだ」

「ですよね」

「殺すぞ」

「………」

「………」

「………」

「殺して下さい」

「………」

「もう、殺して下さい」

「………」

「ずっと………苦しかった」

「………」

「あなたに殺されるなら、本望です」

「耳障りだ」

「………」

「勝手に盛り上がって勝手に死ね、死ぬなら自分で死ね」

「すみません」

「謝るなら言うな」

「………すみません」

「だいたい」

「………え？」

「説得力ねぇんだよ、この態勢じゃ」

「………」

「いきなり人を押し倒しといて、言う台詞がそれか？」

「精一杯口説いてるつもりなんですが」

「趣味悪ぃんだよ」

「よく言われます」

「馬鹿が」

「お互い様じゃないですか」

「てめぇと一緒にすんな！この変態が！」

「あ、今の台詞結構萌えました」

「馬鹿が！いいから早くそこを退け！」

「身動き一つ取れないくせに強気ですね」

「………」

「………」

「今弱気になったら終わりだからな」

「やっぱりあなたは頭が良い」

「お前は馬鹿だがな」

「自分がどういう状況に置かれているかよく分かってるようで」

「分かりたくもないがな」

「三蔵、」

「………」

「ごめんなさい、三蔵、好きになってしまって、ごめんなさい」

「うるせぇんだよ、謝るくらいなら最初から好きになるんじゃねぇ」

「三蔵、今日、何月何日だか知ってますか？」

「………八月三日だろう、それがどうした」

「いえ別に」





２０１１０８０３