此処に居るよ
すれ違う度に思うのです
目が合わないように、鼓動を悟られないように
どうか貴方の存在を意識しない様に
内心はただ事で無いのに、僕はそれを決しておもてに出さぬよう注意深く唇を噛み締める
貴方が僕の存在を脳のどの部分に位置付けているかなんて到底解らないことで
いくら考えても解らない筈なのに、貴方とすれ違う、その僅か数秒の間に
人が変わってしまったかのように、全てを知れる気がする、理解しあえる気がするのです
貴方の想いが手に取るように解る
貴方にもきっと、僕の高鳴る鼓動が鼓膜を揺さぶる程に聞こえているのでしょう?
目も合わさず、口は噤み、気配さえ消してしまう僕の決死の存在証明、貴方に痛い程伝わることを祈って
貴方も同じ様に、僕の気配を感じないよう必死に努めて
お互いが消えてしまえる様にと願う
同じ想いだから伝わり合える
何もかも、もう気付いているのでしょう?
知らないふりをする、貴方は弱虫だから、そうやって逃げて、大切なものを守ろうとする
僕はただ、その身体に復讐の爪痕を残したいだけなんです
傷が疼く度に僕を思い出して
現在も尚、苦しんでいる、涙を流して貴方を想っている
愛される恐ろしさを、心配しないで、二度と忘れられないようにして上げます
全身全霊で追い詰めるから、一秒でも沢山、僕の存在を思い出して
もっと奥深くに刻みつけるから