三「おい、桃」
桃「なんですか?」
三「………これを」
桃「こ……これは……!」
三「いつだったか、エクレアが好きだと言ったな」
桃「これは……ヤバイ…!」
ガサガサ……バリッ!
……………もぐもぐもぐもぐもぐもぐ……
八「あれ?三蔵に桃さん……」
空「あー!2人で何食ってんだよー!」
浄「いやいや待てよ、このパターンの時には碌な事がなかったような…」
杏「何それ?エクレア?」
三「そうだ」
桃「もぐもぐもぐもぐもぐ……凄いんだよこれ!」
杏「汚い!口の周りが黒い!汚い!」
空「うまいの?何エクレア?」
桃「見てこれ!その名も、《わらびもちきなこクリームエクレア》!」
「「「ええー……」」」
桃「もう一目見てわかったよ……まさに稲妻にうたれたかの如く…」
杏「なんで稲妻?」
八「エクレアはフランス語で稲妻という意味だからでしょう」
空「え、なんで?」
八「諸説あるようですよ、表面が稲妻のようだとか、稲妻のように早く食べるようにとか」
桃「美味しくて稲妻に打たれたような衝撃だからです!」
浄「なんだよそれ、つかお前のテンションなんなのそれ」
桃「だってこれ!見た目絶対美味しいじゃないですか!」
杏「いや……これ見て即買いするのお前くらいだろ…」
桃「これ三蔵さんがくれた!」
杏「お前と三蔵くらいだろ」
桃「なんで!これめっちゃ美味いよ!ヤバイからマジで!衝撃!エクレア革命!」
杏「どのへんが?」
桃「これまで色んなクリームがエクレアの中を犯してきたけども、これが!これこそが正解だったんだよ!」
杏「おい犯すとか言うな、色んな方面から怒られるだろ」
桃「たくさん中に出されたけど………どれもこれもクリームヒットではなかった」
浄「クリームヒットってなんだよ、うまくねぇよ文字通り」
桃「でもついに出会えたの……こんなに気持ちイイのはじめて…」
浄「おい、誰か、誰かなんとかして」
八「無理でしょう……三蔵もずっと横で同意してます」
浄「おいクソ坊主!大体テメェ洋菓子は好かんとか言ってたじゃねえか!つか口拭けよ!」
三「よく見ろ」
浄「あ!?」
三「これは中にわらびもちが入っている」
浄「うるせえ!」
桃「そう、このとろとろのクリームの中を泳ぐ無数のわらびもちがまた最高なんです!」
浄「いや最低だよ、お前」
桃「そもそも私、エクレアは大好きなんですけどシュークリームはあんまりなんです!」
空「え、なんで?一緒じゃん、殆ど」
桃「違うんですよ!食べ易さが全然違う!」
杏「なんじゃそら」
八「食べ易さ……ですか?」
桃「シュークリームの食べ難さは悪意があります!そもそも皮とクリームの比率おかしい!ただクリーム食べたい人が考えたでしょあれ!もう手も口もべったべただし、クリーム多すぎて途中飽きる!」
八「個人の主観です、あしからず」
杏「あしからず」
桃「女がシュークリーム食べるのがエロいとか思ってる男も嫌です!エクレアのがはるかにエロいからな!期待してもシュークリームとか、皮ちぎってその皮でクリームすくって食べるとかやられてガッカリするだけだからな!それはそれでエロいけれども!」
浄「話が大幅にズレてる」
八「最初からレールにも乗ってませんでしたけどねぇ」
桃「その点エクレアは食べ易い、優しい、考えた職人さん大好き」
浄「いや案外エロい事考えて開発しただけかもよ」
八「個人の主観ですーあしからずー」
浄「すんません」
桃「穴からね、先っぽの穴から咥えるの、そしたら溢れないから…」
八「そろそろ桃さんも黙りましょうか」
桃「すみません」
八「あと、口拭きましょうか」
桃「はい」
杏「エクレアって、絶対チョコレートで口汚れるよね」
八「食べ難いですね」
桃「そうですね」
空「結局、なんで稲妻なんだろうなー」