ままこ
2010.07.28 Wed 19:34
学パロ
頼りない友人
いつもどおりの学校。いつもどおりにさとちゃんに暴言を吐かれて友人とふざけて騒いで楽しい学校生活になるものだと思っていた。でもやっぱり心の片隅には昨日のことが鮮明に残っていて、どうしても気になって仕方がない。気にするなというほうがおかしい。
とりあえずさとちゃんと昼食を食べながら相談にのってもらおうとしていたのに、さとちゃんは3年生のたっくんという人と約束をしていたみたいで、ごめんねと珍しく申し訳なさそうに謝ってきた。
そんなさとちゃんを責める理由もないので、全然大丈夫だよーと微笑んでおいた。
誰と一緒にご飯を食べようか迷っていたときに、相談にものってくれそうで仲のいい先輩の顔が思い浮かぶ。たしかナチュラルすぎて忘れていたがあの人は片思いをしていて、それも大親友と言い合っている人に恋しているらしい。
授業中ふわふわとさりげなく聞こえてくる計算式の音は全く聞こえこない。外で体育をやっているのはどこのクラスなのか、まこさんはその中にいるのか、そういえばまこさんには頼れる友人がいると言っていたけれどその人はどんな人なのかなんて考えて、もし頭の中が筒抜けで人に見られたらいろいろと勘違いされそうな要素がいっぱいあったと思う。
真っ白なノートを眺めていたらキンコンカンコンとチャイムの音が聞こえてくる。やっと午前中が終わったのかと思いつつもお昼を手に少し早歩きで先輩の所へ向かった。
「ごめんりゅーこ、待った?」
「んーん、待ってない」
3年4組の教室に入ると龍虎が手をひらひらと横に振ってにこやかに陽だまりの席に座っている。隣には番長、は、いない。
「番長は?今日はいないの?」
「うん、委員会だって」
龍虎の好きな人は番長という人で、龍虎の一途な想いに全く気づかないという鈍感な人なのだ。
「そっか、」
「ね、相談あるんじゃなかったの?番長いないことだし、今いいなよ」
本当にその笑顔にはいつも安心させられるというか、ほっとされられる。
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