因習から成る知識に
鯨飲
確かに君の音韻
態度はいつも憚る
さしずめ愛だということ
蔓延こる
行き止まりの先にあるもの
紛らわすストックは持ち合わせていない
唇に触れた
破壊的な衝動に駆られ
不安に潰された
卓上の空論
名前の無い愛の形
名前の無い恋の方法
夢は抱きしめてもらうこと
近い様でもすぐに遠ざかるものだよ
駄目だね、単純で馬鹿みたい
眼鏡越しの笑顔と皺
荒れた指先に触れたかった
その白髪も目じりの皺もすべて愛していいですか?
いつも待っているの、会える一瞬を
そうやっていつもひどい
保たれる距離は諦めた
うなじに唇をあてたなら
目につく指輪に少しずつ傷つきながら
この人と一緒に暮らしている人がいる
帰る場所はもちろん違くて
安心できる基準が違うのかもしれない
これ以上はない。あとは遠ざかるだけ
この出会いは試練という名の運命だ。
滲み出る優しさが先を暗くして
それ以上頑張らないでほしい
会いたくなったら、終わり。始まってしまう。
助手席の魔法
ハンドルを触る片手の指輪
わずらい