コネタ(エレリ)
2013.09.25 Wed 21:09
「統合失調症は健全なお話がかけるのか」の続きのようなもの
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「リヴァイさん、今回はどんな内容の小説をかくんですか?」
本だらけの書斎でエレンに背を向けてリヴァイはカリカリと手を動かしていた。
外は風が強いらしく、庭に埋められた巨大樹の枝が煽られてザワザワと音を立てていた。
リヴァイは全くエレンを振り返ることもなく、何かを思い出すように頬杖をついて呟いた。
「…巨大な人形怪物に人類が追い詰められる…ような話だ」
「へぇ!なんですか?面白そうですね!」
エレンはリヴァイの口から漏れたその設定に興味を示して、身を乗り出す。
「リヴァイさんがそんな内容の小説書くなんて珍しいじゃないですか。なにかあったんですか?」
「…いや。夢で見たんだ」
「…夢?」
エレンはぱちくりと瞬きを繰り返した。
全く珍しい。
リヴァイは頭で構想を練って練って…そして、誰にも思い付けないようなそんな展開を生み出す人だ。
そんな人がなぜ。
嫌な夢をみた。
ペンを真っ白な紙に走らせながら何度も夢を脳内で反復する。
酷く、リアルな夢だった。
仲間の体温も、血も、なにもかも。
むしろ、今よりも生きている実感を感じるほど生々しい夢。
『エレンっ!!!』
『へい、ちょ…すみま、せ…。で……も、れ、なた…には……いき、て…』
『な、にいってんだよ…わからねぇよ、エレン…!エレンっ…!』
「………っ」
あぁ。
気色悪い。
後ろでまるで子供のように話しかけてくるあいつが、そんなことをいうわけがない。
いつも、俺を助けてくれるあいつが。
リヴァイはグラリ、と揺れた頭を押さえてただ、白い紙を黒文字で埋めることに従事した。
END
進撃世界を夢でみたリヴァイがそれを小説にして残す話
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