コネタ(エレリ)
2013.09.19 Thu 19:25
一応、某ボカロ曲をパロっていますが、はじめて聞いたイメージで書いたので、全くパロれてないです…。
ので、名前は某ってことにしておきます。
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やけに月明かりがまぶしい夜だった。
エレンに呼ばれて宿舎を出たのは、9時頃。
歩き出してから、どれほどたっただろうか。
はぁ、と吐いた息は空気の冷たさに瞬時に凍えて、月に白く照らされた。
運動した筋肉が熱を伝え、それ以外は冷たい死体のように凍えている今の体内ははっきり言って気持ちが悪い。
熱いんだったら、熱くしてほしいし、寒いのなら、寒いだ。
だが、筋肉以外にもやけに熱く熱を感じる箇所があった。
「兵長!もう少しでつきますから!」
「…ああ」
ぐい、とまた強く引かれた。
早くしろ、と言いたいのだろうか。
リヴァイの右手をエレンの左手が掴んでいた。
丘のような場所を早足で駆け上るエレンは疲れているだろうに荒い息をあげるだけで、弱音をあげずにずんずんと登っていく。
「兵長、今夜。よろしいでしょうか」
そんな風に聞いてきたのは、今日の昼下がり。
久しぶりに訓練に付き合ってやったとき。
それに、頷いた。
風は、ひゅうと小さくなって落ちた枯れ葉がカサリと音を立てた。
「…おい、エレン。どこにいくんだ」
それは、昼から、今までずっと気になっていたことだ。
エレンは今まで下らないことばかりを口から発し、全くそれを伝えようとしなかった。
もしくは、伝えたくなくてサプライズ的なものかとリヴァイは思ったが、そんなことはないだろう。
エレンは月のような金の瞳を月の光でよりいっそう綺麗に輝かせながら、唇に細い人差し指を当てた。
「…この街一番の、景色です」
そのエレンの雰囲気は今まで見てきた、様々な一面とは、また駆け離れていたものだった。
まるで彫刻で作られたかのようなその精密な美しさにリヴァイは息を飲んだ。
だが、それはすぐに息を潜ませてエレンはまた子供のように笑うと、リヴァイを引いて歩き出した。
「ほら、もう少しですから!兵長!」
「……ああ」
END
実はこれはシガンシナ区を取り戻した設定で書きました←
エレンはシガンシナの小高い丘を目指して歩いています←
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