エルリ
 2013.09.15 Sun 18:32

足を負傷後のエルリ




***


ズキズキ。
脚が、病む。

あのとき。
エレンの馴染みを助けたことは後悔していない。
むしろ、よかったと思っている。
後に知ったことだが、彼女は並みの兵士100と同等の働きをする優秀な兵士だったらしい。
俺程ではないが、それでもいなければならない、必要な兵士だ。
だが、自らが負傷せずとも助けられたはずだ。
もしも、自らが負傷しなければ、エレンを救助した後に女型の中身を暴くこともできたかもしれない。

「…クソッ!」

太股を強く打つ。
ジンジンと熱く火照るそれを気に求めずに殴り付けた。

「リヴァイ、やめなさい」

「っ!…エルヴィン、いたのか」

暗闇に紛れていたのか話しかけられるまで全く気付かなかったリヴァイはその目を見開いて声のした方向を向く。
火の当たる範囲にゆっくりと足を踏み入れたエルヴィンはそのままリヴァイの負傷した脚に触れた。
酷い捻挫のような症状で、酷ければ腱が切れそうだ、とハンジから聞いた。
エルヴィンが触れると、ズキリと大きく病み。

「っ、いっ…!」

ビクリッと肩を強ばらせて痛みに耐える。

「…あぁ。すまない、痛かったか」

エルヴィンはすぐに手を離すと、まだ火照っている太股を撫でた。
違う意味で体が跳ねる。

「…なぁ、エルヴィン。俺はお前のお荷物になっていないか…?」

エルヴィンをぐいっと引き寄せて、その心の臓の声を聞く。
背中に大きな、この世界で最も安心できる手が当てられて、エルヴィンに全てを委ねた。

「なっているわけがないじゃないか、リヴァイ…」

「…証明してくれ、エルヴィン。俺…」

すがり付くように伸ばした腕を捕まれ唇を奪われる。
弱気になっていた自らに嫌気を感じていたリヴァイはエルヴィンから与えられるそのぬるま湯の中にいるような心地よさに捕らわれていった。



END


リヴァイも弱気になろうぜてきな

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